150年ぶりに北海道へ戻るアイヌ・コレクションが語る近代日本の出発点
国立アイヌ民族博物館(北海道白老町)では開館5周年を記念し、第10回特別展示「ウィーン万国博覧会とアイヌ・コレクション」を開催する。本展は前期を2025年7月5日から8月31日、後期を9月13日から11月16日まで、1873年のウィーン万博に出品されたアイヌの資料が約150年ぶりに北海道に戻る歴史的な展示となる。
1873年明治政府が国際舞台に初参加したウィーン万国博覧会ではアイヌ・コレクションも北海道の「物産」として展示された。これらの資料はその後、ドイツ・ベルリンの国立民族学博物館に収蔵され、一部は日本に残り、東京国立博物館へと所蔵された。本展ではベルリンと東京の両館に残された資料がかつてない規模で再集結し、19世紀後半のアイヌの暮らしや文化を示す貴重な資料が紹介される。さらに当時の出品物として、陶磁器や漆器といった日本の美術工芸品も展示され、日本の近代化と国際化の軌跡を体感できる。
展示構成は、ウィーン万博に出品されたアイヌ資料を中心とする第1章をはじめ、日本における博覧会の黎明、コレクション形成の背景、そして万博以降のアイヌ民族とコレクションの変遷まで、全4章で構成される予定。初日の7月5日には記念講演会も開催され、ベルリン国立博物館群の館長・学芸員による登壇が予定されているほか、国際シンポジウムやギャラリートークなど関連企画も順次公開される。
「ウィーン万国博覧会とアイヌ・コレクション」開催概要
会場 | 国立アイヌ民族博物館(ウポポイ内)2階 特別展示室 |
会期 |
|
URL | https://tinyurl.com/38z7usfj |