高級デパート、ホルト・レンフリュー・オグルヴィがサステイナビリティを重視した旗艦店をオープン

モントリオール最高のショッピングエリアと言われる、ゴールデンスクエア地区に、高級デパートのホルト・レンフリュー・オグルヴィが3年近い改装期間を経て2020年にオープンした。既存のオグルヴィのビルを拡張・改装し、ホルト・レンフリューと合併させた新旗艦店は、2,300㎡の広さに99もの高級ブティックを構える6階建ての建物で、ラグジュアリーホテルの「フォーシーズンズホテル&プライベートレジデンス」に直結している。カナダで最大のホルト・レンフリー店舗となる当店は、リサイクル素材やLED照明など、サステイナブルな素材を採用することで、今日のエコロジカルスタンダードを満たしている。

Façade,
Photo credit: Frederic Bouchard

当プロジェクトは、直結するフォーシーズンズホテル＆レジデンスと、それぞれが独立した建物でありながらもスペースを共有する部分もあるため、綿密かつシームレスな連携を必要とした。建築デザイン事務所のLemayをはじめ、関わった業者全ての卓越した専門性により、6フロア全ての細部まで注意深く考察が練られたことがよくわかる。店内は、ハードショップ（独立したミニブティック）、ソフトショップ（ブランドのロゴ、家具、壁紙を除いて周辺の店内ビジュアルと連動したデザインの店舗）、フィクスチャードロップス（店舗独自のキャビネットと壁）、そしてリボンウォール（オープンスペースを区切る壁）で構成されている。

Gucci, Photo credit: Frederic Bouchard

Prada, Photo credit: Frederic Bouchard

新旗艦店プロジェクトで最も重要視されたのは、サステイナビリティ基準を満たすことだった。これを満たすべく、入口の回転ドア、八角柱、スパイラル階段、エレベーターの外装に加え、外壁の石の舗装や窓、モールディングの貼り変えなど大掛かりで広範囲に及ぶ修繕とアップグレードが必要となった。

Men's Personal Shopping, Photo credit: Frederic Bouchard

また、店内には「レスパス・ホルト」というポップアップイベントや、キュレーションされた国内外の限定品を取り扱うなど、様々な用途のために設けられたスペースがある。有名な「カフェ・ホルト」は、パリのデザイン事務所Laplaceが手掛けた。暖かみのある色調の木材、茶色のカーペット、金の装飾などで1940年代のハリウッドをイメージしたデザインのカフェは、建物の2階に配置されている。

Café Holt, Photo credit: Frederic Bouchard

ホルト・レンフリュー・オグルヴィは、モントリオールを代表するウエストエンドの4大小売業者のなかで唯一、創業当初の名前が残っているデパート。それぞれ老舗の小売店だったオグルヴィとホルト・レンフリューが2019年に合併して、ホルト・レンフリュー・オグルヴィという新名称で改装と増築を行ったのである。1912年にオグルヴィがこの地で出店した当初から引き継がれてきた遺産を継承しながら、そこにモダンな美しさを組み合わせることで、モントリオールの建築遺産の発展に貢献している。

Façade, Photo credit: Frederic Bouchard

Lemayについて

1957年にケベック州で創業した建築デザイン事務所のLemayは、450人以上の建築家、デザイナー、起業家などと組み、人々の関わり合いを生む空間づくりを目指すことで、世の中の変革を推し進めてきた。健康・環境・脱炭素の3つにフォーカスした独自のアプローチ「Net Positive^TM」は、より良い未来に向けたサステイナブルな結果を導くことができる、当社の強みのひとつである。