ウィーンの都市開発にインパクトを与える特徴的なデザインのサービスアパートメントが登場
50戸のサービスアパートメントと、6戸のオフィスを備えた大規模な建物が、ウィーンの土地再開発地域に建設された。建築デザインを手掛けたのは、ウィーンの設計事務所、BFAとKLK。まずは、再開発に伴う様々な手順をクリア。そこから、適度な日照の確保と騒音の軽減のため、住居を全て南東向きの交通量の少ない道路に面して並べた。商業施設が建ち並ぶウィーン中央駅付近に位置する当建物は、ウィーンの市民菜園に見られる小屋をモチーフにした外観で、ひと際目を引くデザインとなっている。
現代の滞在スタイルのニーズに合わせ、当アパートは、狭いスペースをできる限り広く感じられる工夫を施した住居を、手ごろな価格で提供している。各戸には、バルコニーがあり、住居には外階段と屋根のある廊下からアクセスできる。間取りは、広すぎないメインの廊下とベッドルーム、サニタリースペース、そして出窓とバルコニーに面したリビングルームと、シンプルな構成。隣近所の存在を感じさせないような、明るく程良い広さのリビングが、今後変化するニーズにも適応できるスマートなデザインだ。
建物の外観は、ウィーンの伝統あるシュレーバーガルデン(農地の賃借制度により市民に割り当てられた農園や菜園)にある小屋を積み上げたようなデザイン。商業施設が多く建つ地域で、特徴のあるファサードの建物が建つことは、都市開発を加速させる追い風となるだろう。
BFA×KLKについて
建築家ハインツ・ルター(Heinz Lutter)が率いる30年以上の歴史を持つBFAと、2010年設立のKLKはそれぞれウィーンに拠点を置く建設デザイン事務所。両事務所の協同で、数多くのプロジェクトを成功させてきた。実験への情熱に裏打ちされた高い専門性と審美性を兼ね備えたアプローチは、建築、デザインとインテリア、プロジェクトマネジメント、そして都市戦略と多方面に亘っており、包括的な仕事に繋がっている。両事務所は、人と空間の相互作用を認識しながら、世代をまたいでホリスティックな提案をし続けている。