20世紀にはじまった住宅をめぐる革新的な試みを再考

リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」が国立新美術館で2025年3月19日(水)から6月30日(月)まで開催される。本展では、20世紀にはじまった住宅をめぐる革新的な試みを、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考。特に傑作14邸を中心に、20世紀の住まいの実験を写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて多角的に検証する。

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本展は、2007年の国立新美術館開館記念展に次ぐ、1階と2階の企画展示室を同時に使った大規模な展覧会。2階の会場では、近代建築の巨匠ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886-1969年)の未完のプロジェクト「ロー・ハウス」を原寸大で実現するほか、同時代にデザインされて、現在も使われている名作家具を体感できるコーナーが設けられている。特設会場では、名建築の窓を再現したVR体験ができるイベントや、本展に関連した対談、講演会などの様々なプログラムが企画されている。

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見どころ

建築家ミースの未完プロジェクト「ロー・ハウス」の世界初となる原寸大展示
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ロー・ハウス原寸大展示プロジェクト 2D図面での検討

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当時の住空間を体感できるような家具の配置も検討

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2階の天井高8メートルの会場に設置される、近代建築の巨匠ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886-1969年)の未完のプロジェクト「ロー・ハウス」の原寸大展示。そのスケールは幅16.4m×奥行16.4mに及び、原寸大での実現は世界で初めての挑戦となる。ミース・ファン・デル・ローエは、「ロー・ハウス」に関する多くの計画案を残しているが、建物として "実在する" ものは世界にひとつもない。参考となる写真や映像のない中で、残された図面や資料をもとに模型を作り、原寸大で実現する試み。本展示の制作にあたり、国立新美術館では初となるクラウドファンディングで資金を募った。488名の支援者より目標金額を大きく超えた11,117,672円を集め実現した。

名建築の「窓」を再現したVR体験イベント

電動で開閉する天井高いっぱいのガラス窓が特徴的なミース・ファン・デル・ローエの「トゥーゲントハット邸」と、水平連続窓で知られるル・コルビュジエの「ヴィラ・ル・ラック」の一部内観を再現したVR映像を公開。VRゴーグルを装着し20世紀近代建築の名作を体験できる。開催日は2025年3月22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)、予約不要。

名作家具の数々を体感する「リビング・モダニティ today」

本展と関わりの深い20世紀を代表する名作家具を数多く揃え体感できる。出展ブランドは以下のとおり。

B&B Italia / Carl Hansen & Søn / Cassina / Karimoku Case / Marcenaria Baraúna / Molteni&C / TECTA / Knoll / YAMAGIWA

「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」開催概要

会期2025年3月19日(水)~6月30日(月)
時間10:00~18:00
会場国立新美術館 企画展示室1E / 2E
休館日毎週火曜日 ※ただし4月29日(火・祝)と5月6日(火・祝)は開館、5月7日(水)は休館
料金一般1,800円、大学生1,000円、高校生500円
URLhttps://living-modernity.jp/