新生「原宿クエスト」建築デザインはOMA重松象平、ランドスケープデザインは平賀達也

多様な文化を生み出し続ける街、原宿の新たなランドマークとなる商業施設「原宿クエスト」の新築工事が着工した。NTT都市開発は、表参道と奥原宿をつなぐ「原宿クエスト」からトレンドを発信し、エリアの価値向上に取組む。竣工は2025年春を予定している。

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新生「原宿クエスト」外観イメージ(表参道側)

NTT都市開発の原宿エリアにおける取組み

33年間にわたり、原宿・表参道の玄関口にあるファッション、カフェ&レストラン他ホールを併設した施設として営業してきた「原宿クエスト」が2021年10月に閉館した。2020年6月より、明治神宮を望む原宿駅前の敷地において、複合商業施設「ウィズ原宿」が開業。駅前から竹下通りにつながる新しい人の流れを生み出した。華やかな表通りと迷路のような界隈が残る奥の通りをゆるやかに結ぶこの取り組みは、賑わいと穏やかさが隣り合わせに存在し、さまざまな価値観が交差する原宿の魅力を再確認することとなった。

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原宿駅前の新たなランドマークとして、表参道のケヤキ並木を彩る

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敷地周辺地図

新生「原宿クエスト」はウィズ原宿近くの表参道に面しており、表参道側にはフラッグシップストアを誘致し、世界有数のトレンド発信地としてエリアの価値向上に取り組む。ウィズ原宿と同様、敷地内に奥原宿へ抜ける路地を設け回遊性を高め、奥原宿周辺の自社保有物件の利活用とともに、原宿ならではの新しい出会いや交流の場を創造し、緑豊かな歩いて楽しい街づくりを目指していく。

※ 表参道・竹下通りから内側に入ったエリアを「奥原宿」と表現

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表参道・代々木公園を望む開放的な高層階テラス

建築デザイン

表参道と奧原宿を繋げ一体化する初めての建築となる新生「原宿クエスト」の建築デザインは、建築家の重松象平(OMAパートナー)が手掛ける。重松はデュアリティ(二面性)をコンセプトとし、フラッグシップ店舗が並ぶ表参道と、個性豊かな路面店が点在する奥原宿の境界に位置する本計画地の特性を活かした建築形態をデザインしている。表参道側は垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観とし、パサージュを抜けた先には、奥原宿のスケール感に合わせた小さな店舗や広場、アートスケープを配置するなど、二面性を持ち合わせた計画としている。

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表参道と奥原宿の個性を体現するコンセプトダイアグラム

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広場やアートスケープを設えたヒューマンスケールな屋外空間(北西側外観イメージ)

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表参道と奥原宿をつなぎ、個性的な路面店が連なるパサージュ

重松象平 プロフィール

建築家。建築設計集団OMAのパートナーおよびニューヨーク事務所代表。九州大学大学院人間環境学研究院教授、BeCAT(Built Environment Center with Art & Technology)センター長。1973年福岡県久留米市生まれ。九州大学工学部建築学科卒後オランダに渡り、1998年よりOMAに所属。2006年ニューヨーク事務所代表に就任、2008年よりパートナーとなる。

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OMA重松象平

ランドスケープデザイン

ランドスケープデザインは、ランドスケープ・プラス 平賀達也が担当。表参道と奥原宿をつなぐエントランスからパサージュにかけては、明治神宮から連続した地層を彷彿させる壁面を設えている。さらに、施設の随所に明治神宮の杜やケヤキ並木と呼応するよう緑豊かな植栽を計画し、明治神宮の植生を反映することで原宿の地に馴染み親しまれる、サステナブルな施設を目指す。

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表参道や明治神宮からの連続性を感じられる、緑豊かな空間を形成

次世代アーティストとの取り組み

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baanaiによる原宿を象徴するアート作品

新生「原宿クエスト」では、原宿独特のカルチャーやライフスタイルを体現する多様な次世代アーティストたちと共にさまざまな取り組みを展開する。その一環として、このたび、反復された文字によって画面全体を埋め尽くすという、独自のスタイルによる芸術実践を続けるアーティストbaanaiに原宿を象徴するアート作品を依頼。施設のプロモーションとして、この作品を展開していく予定。

新生「原宿クエスト」計画概要

所在地東京都渋谷区神宮前1-12-14、13-21
敷地面積約1,960㎡
延床面積約7,800㎡
構造鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
規模地上6階、地下2階、塔屋1階
用途店舗(物販/飲食/サービス)、事務所、自動車車庫
着工/竣工・開業2022年10月/2025年春(予定)
事業主NTT都市開発
デザインアーキテクトOMA/重松象平