建築における女性の役割を推進し、公共スペースの地域社会での利用方法を再定義するリーダー的な存在

建築家・妹島和世が米日財団の理事に就任した。妹島は妹島和世建築設計事務所の創設者であり、西沢立衛氏とのユニットであるSANAA(Sejima and Nishizawa and Associates)の共同創設者で、ミニマリスト建築における画期的な作品や、人々とその環境を結びつける空間づくりへの献身で知られている。建築界への貢献が世界的に認められ、2010年には共同創始者の西沢氏とともに栄誉あるプリツカー建築賞を受賞している。

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妹島の建築実績には、ニューヨークのニューミュージアム、スイスのロレックス・ラーニングセンター、フランスのルーブル・ランスなど、国際的に有名なプロジェクトなど数多く挙げられ、日本では、金沢21世紀美術館やあなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)など、代表的な公共施設を設計。 妹島のミニマリストのデザイン哲学は、透明性と調和を重視し、人工環境と自然環境をシームレスに融合させている。

2023年、妹島は建築界における女性の地位向上への貢献が評価され、ジェーン・ドリュー建築賞を受賞。ジェーン・ドリュー賞は、イギリスの建築雑誌であるThe Architectural Review誌とArchitects' Journal誌が主催する「Wアワード」の一環として毎年授与される賞で、以前はWomen in Architecture Awards(建築界の女性アワード)として知られていた。「The Architectural Review」の編集者マノン・モラードは、「妹島は、作品における形式、構造、素材の実験を超えて、国際的な舞台で活躍する数少ない女性建築家の一人。彼女の勇気、粘り強さ、成功は、それが可能であることを示す重要な指針です。」と語っている。

米日財団の理事長であるローレンス・K・フィッシュは、「妹島は、芸術、建築、文化に対する洞察力に富んだ視点と深い理解をもたらし、社会、経済、文化のつながりを深める取り組みを支援するという当財団の使命をさらに高めてくれるでしょう。既存の概念に挑戦し、デザインの可能性を広げてきた建築家である妹島は、当財団のプログラムにユニークで革新的なアプローチをもたらすでしょう。」と述べている。