「顔」を通して記憶と向き合うすべて新作による表現

アーティスト 佐野凜由輔による新作個展「ZOOOOOOOOOOOOM / FACE」が、 東京・京橋のGallery & Bakery Tokyo 8分で2025年8月9日から9月9日(火)まで開催される。アートギャラリーとカフェ・ベーカリーが併設された本会場の第9回目となる本展では、すべて新作の「フェイスシリーズ」を中心に佐野独自の視点から「記憶」や「存在」を問う作品が発表される。展示作品はArtStickerにて8月8日17:00より先着制で販売される予定。

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キーヴィジュアル作品《 Muse 》

佐野は2016年に渡米後、現地アーティストのアシスタントを経て本格的に画家として活動を開始。2018年の初個展以降、「ZOOM(ズーム)」という独自のコンセプトを軸に、具象と抽象の狭間を行き来するような作品を描き続けている。本展の中心に据えられた『フェイスシリーズ』では、「顔」という根源的なモチーフを通じて、記憶の断片や感情の残像を描く試みがなされている。

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佐野凜由輔 過去作品

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佐野凜由輔 過去作品

「誰かの顔であり、自分自身の断片でもある顔たちを、私は描き続けている。」と語る佐野にとって、顔とは他者と自己を接続する鏡であり、静かに世界と向き合うための起点でもある。展示にあたってのステートメントでは、ピカソの《ゲルニカ》を取り上げた書籍『暗幕のゲルニカ』から着想を得て、絵画が「ただそこに在る」ことの力を語る。最大作品《Muse》には、佐野自身のミューズである妻と娘の姿が描かれており、未来への祈りと静かな希望が込められている。また、「ZOOM」という概念は、単なる視覚的拡大・縮小ではなく、断片化された記憶や関係性を能動的に再構築するプロセスを意味している。視点を変えることで、画面に宿る時間や空気が揺らぎ、鑑賞者自身に「見るとは何か」を問いかける装置となる。また、「"全身全霊 ぼくでありたい"」という一節が引用された本展は、「自分であること」が困難な現代社会における、ささやかで力強いレジスタンスでもある。絵の中に込められた視線や感情は、鑑賞者と交差しながら、見る者の内面を静かに揺さぶる。

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佐野凜由輔 過去作品

佐野凜由輔(さの りゅうすけ) プロフィール

1994年北海道・札幌市生まれ。カートゥーンや漫画に影響を受け、10代でエゴン・シーレやバスキアらの作品に出会い画家を志す。2016年に渡米し、ニューヨークのアーティストスタジオでの経験を経て制作活動を本格化。2018年に初個展を開催。自身の内面や記憶を起点に、「ZOOM(ズーム)」という概念をもとにしたレイヤー表現と色彩の重なりによる作品を国内外で展開。2022年には初の作品集を刊行。主な個展に「ZOOOOOOOOOOOM / MIND」(2024年、LONG STORY SHORT NYC)、「ZOOOOOOOOOOM」(2023年、モエレ沼公園)など。2021年には「WATOWA ART AWARD」にてヒロ杉山賞を受賞。adf-web-magazine-zoooooooooom-face-8

Gallery & Bakery Tokyo 8分

The Chain Museumとフォンスが共同でプロデュースするアートスペース。戸田建設が「ART POWER KYOBASHI」をコンセプトに開業したTODA BUILDINGの1階に位置し、設計は建築家・元木大輔率いるDDAAが担当している。アート鑑賞後に余韻を味わえるカフェやベーカリーが併設されており、対話や滞在を通じて「体験するアート」が展開されている。

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Photo: Ryohei Tomita

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Photo: Kenta Hasegawa

佐野凜由輔 新作個展「ZOOOOOOOOOOOOM / FACE」開催概要

会期2025年8月9日(土)から9月9日(火)まで
会場Gallery & Bakery Tokyo 8分
時間8:00〜19:00
観覧無料
URL https://tinyurl.com/4b9sapwt