ケベック州最大のパブリック・アート・イベント

カナダ・ケベックシティで親しまれているパブリック・アートの祭典「PASSAGES INSOLITES」が今年10周年を迎えている。2023年6月22日から10月9日まで開催中で、ケベックおよび世界から集めた40人ものアーティストの作品を周遊して観ることができる。

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"Double interlaced concentric circles" by Felice Varini
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Double interlaced concentric circles" by Felice Varini
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Double interlaced concentric circles" by Felice Varini
Photo credit: Stéphane Bourgeois

今年は、国際的に有名なアーティスト、フェリーチェ・ヴァリーニが、ロワイヤル広場の象徴的な建築物に溶け込むような記念碑的な作品を発表する。ヴァリーニのような巨大なスケールのインスタレーションと、スウェーデンの集団AnonyMouseの遊び心あふれるインスタレーションのようなミニチュア作品など、対照的なスケールが今年のイベントの特徴だ。

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"Dark Tide" by Baptiste Debombourg
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Dark Tide" by Baptiste Debombourg
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Little Quebec" by AnonyMouse
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Little Quebec" by AnonyMouse
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Little Quebec" by AnonyMouse
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Big Other" by Pierre&Marie
Photo credit:
Stéphane Bourgeois

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"Big Other" by Pierre&Marie
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Big Other" by Pierre&Marie
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Big Other" by Pierre&Marie
Photo credit: Stéphane Bourgeois

PASSAGE EXTÉRIEURの屋外アート・サーキットを訪れる人々は、旧港からロワイヤル広場、プチ・シャンプランまでのスペースで18のパブリック・アート作品を鑑賞することができる。10周年記念に企画された「レトロ・サーキット」は、過去の象徴的な作品にオマージュを捧げた写真で構成された「思い出の散歩道」である。

PASSAGE INTÉRIEURの屋内展示は、ノートルダム通り27番地にあるPASSAGES INSOLITESの「中心地」で展開されている。まるでロワイヤル広場の歴史的建造物であるメゾン・ヘイズールの建築的、遺産的背景と5つのインスタレーションが対話しているように見える。

8月12日にオープンする壁画サーキット「PASSAGE MURAL」では、13人の壁画家がダフェリン・モンモランシー陸橋の柱にアートを描くことで、長年のグラフィティスポットである「Îlot Fleurie」に新たな命を吹き込む予定。ストリート・アート・イン・アクションケベック・ノヴァ・ムラールEXMUROのこの共同プロジェクトは、多くの来訪者をのぞむべくPASSAGES INSOLITES 2023の閉幕後も継続される。

PASSAGE ÉPHÉMÈRE ephemeral interventionは、2023年6月から10月まで開催される一連のパブリック・アート・パフォーマンスである。月に一度、ポップアップ・ストリート・パフォーマンスや参加型インスタレーションが行われ、PASSAGES INSOLITESの不思議に浸る体験で来場者を魅了し、楽しませる。

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"Merry-go-view" by Camille Rajotte
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Merry-go-view" by Camille Rajotte
Photo credit: Stéphane Bourgeois

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"Family Gathering" by Ludovic Boney
Photo credit: Stéphane Bourgeois

平等性と多様性を尊重するプログラム哲学を持つPASSAGES INSOLITES 2023では、先住民アーティストの才能が際立っており、6人のウェンダット系アーティストと1人のアティカメクウ系アーティストが参加している。

6月22日のオープニングセレモニーでは、ウェンダケ出身の女性ドラム集団Andicha n'de Wendatにより、ロワイヤル広場にてケベックシティのノートルダム・デ・ヴィクトワール教会の前で、伝統的な歌と踊りが披露された。全国先住民デーの翌日に行われたこの感動的なイベントは、公共スペースにおける先住民の喜びと脱植民地的和解の祝福を象徴している。

EXMURO arts publics

公共スペースにおける現代アート・プロジェクトのデザイン、制作、普及を使命とする非営利団体。2007年以来、EXMUROは公共アート作品を街で紹介する新しい道を常に模索してきた。様々なプロジェクトを通じて、観客との対話を促し、批判的思考を育むことで、公共空間の芸術的可能性を広げることに取り組んでいる。EXMUROにとって、パブリックアートは実験と表現の自由を提供し、都市生活の多くの側面に見られる標準化と実用主義の力に対抗するために必要なものである。アート作品を都市構造に織り込むことで、画一化や標準化を打破し、独創的で驚くべき体験や出会いを生み出す可能性を創出している。