注目のコレクション

現代アートのコレクターズミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」は、2023年9月30日(土)から2024年2月25日(日)までTAKEUCHI COLLECTION「心のレンズ」展を開催する。本展では、IT分野で活躍する竹内真氏のコレクションより、国内外のアーティストによる現代アート約33点と、ル・コルビュジエやピエール・ジャンヌレなどがデザインした家具約34点を展示する。

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TAKEUCHI COLLECTIONは、IT分野で活躍する竹内真(ビジョナル株式会社 取締役 CTO)が約5年前から収集を始めた現代アートと家具のコレクション。イヴ・クライン、ゲルハルト・リヒターといった時代を代表する作家から、ヴィルヘルム・サスナル、ジャデ・ファドジュティミ、加藤泉、大山エンリコイサムなど、現在注目を集める作家の作品を家具とともに幅広く収集し、急成長しているコレクションの一つである。

本展では、コレクションのきっかけとなったパブロ・ピカソの作品から、イヴ・クラインやゲルハルト・リヒターといった時代を代表する作家や、竹内が近年魅力を感じている抽象画の作品を中心に約33点を展示。また、近代建築の巨匠の一人ル・コルビュジエらがデザインした家具も紹介し、竹内氏が日頃から家具とともにアート作品を展示して楽しんでいることから、実際にシャルロット・ペリアンの椅子に座りながらアート作品をゆっくり鑑賞できる空間も演出している。さらにピエール・ジャンヌレがデザインした椅子約20脚を使用したインスタレーションでは、その個体がもつ特徴を多角的な視点から堪能できる。

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ヴィルヘルム・サスナル「Untitled」2022
Wilhelm Sasnal, Untitled, 2022, oil on canvas, 228.6 × 302.3 cm, © Wilhelm Sasnal, courtesy Sadie Coles HQ, London

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ジャデ・ファドジュティミ「Undeparted thoughts」2022
© Jadé Fadojutimi. Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery / Photo: Eva Herzog

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スターリング・ルビー「TURBINE. RED RIDING HOOD.」2023
© Sterling Ruby. Courtesy of Taka Ishii Gallery / Photo: Robert Wedemeyer

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加藤泉「Untitled」2019
© 2019 Izumi Kato, Photographer: Ringo Cheung, Courtesy of the Artist and Perrotin

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掛井五郎「プロフィール」1990
© Goro Kakei Foundation. Courtesy of Taka Ishii Gallery / Photo: Kenji Takahashi

コレクターズノート(一部抜粋)/竹内真

僕は、抽象的な作品を見るとき、大凡自分と同じ世界を生きて、かつ似たようなものを見て、聞いているのにも関わらず、その彼らの心のレンズを通した結果、このような作品が生まれるのだろう、と彼らの人生の中で作り上げられた心のレンズが一体どんなものなのかを想像してしまいます。しかし、その想像の中にあるレンズもまた、自分自身が経験したものの中から考え得るレンズでしかないわけで、おそらくその予想は全て外れているのでしょう。もし、今日、誰かと一緒にこの展示を見に来ていたら、その人と同じ作品を見て、作家の心のレンズはどのようなものだと思うのか、話し合ってみてください。結局は、それはお互いの心のレンズを話し合っているようなことでもあり、それはきっと、お互いの仲をさらに深めていくことだと思います。

出展予定作家

フランシス・アリス、上田勇児、トレイシー・エミン、大久保紗也、⼤山エンリコイサム、岡﨑乾二郎、神楽岡久美、掛井五郎、加藤泉、イヴ・クライン、桑山忠明、小西紀行、小林正人、ル・コルビュジエ、サイトウマコト、ヴィルヘルム・サスナル、許寧(シュ・ニン)、アルベルト・ジャコメッティ、ドナルド・ジャッド、ピエール・ジャンヌレ、二代 田辺竹雲斎、オスカー・ニーマイヤー、浜名一憲、パブロ・ピカソ、ジャデ・ファドジュティミ、ジャン・プルーヴェ、セクンディノ・ヘルナンデス、シャルロット・ペリアン、三島喜美代、オスカー・ムリーリョ、元永定正、山口歴、リー・キット、ゲルハルト・リヒター、スターリング・ルビー など

TAKEUCHI COLLECTION/竹内真

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ビジョナル株式会社 取締役 CTO。2001年、電気通信大学情報工学科を卒業後、富士ソフト株式会社に入社し、主に官公庁や大手通信会社向けのシステム開発に従事。2007年、株式会社リクルートにて全社共通基盤フレームワーク開発などに従事し、同時にSeasarプロジェクト内でOSS活動も開始。2008年、株式会社レイハウオリを創業。その後、ビズリーチの創業準備期に参画し、取締役CTOに就任。2020年2 月、現職に就任。社外活動として一般社団法人日本CTO協会理事を務める。

WHAT MUSEUM

2020年12月、東京・天王洲にオープンした「WHAT MUSEUM」。寺田倉庫が作家やコレクターから預かっている貴重なアート作品を中心に公開する芸術文化発信施設。倉庫会社としての美術施設はどう在るべきかを模索し、たどり着いたのは「倉庫を開放、普段見られないアートを覗き見する」というユニークなコンセプト。作家の思いはもちろん、作品を収集するコレクターのこだわりを大切な作品とともに展示。アートとの出会いの場を創出している。倉庫内で静かに光を放つ文化的価値を暗示した、WHAT(WAREHOUSE OF ART TERRADA)の名のもとに展示されるのは、平面や立体のアート作品をはじめ、建築模型、写真、映像、文学、インスタレーションの数々。これらの多様な芸術文化を、倉庫会社ならではの美術館のかたちとして、新たな切り口で企画・展示を行っている。

TAKEUCHI COLLECTION「心のレンズ」展開催概要

会期2023年9月30日(土)~2024年2月25日(日)
会場WHAT MUSEUM 2階
時間火~日 11時 - 18時(最終入館17時)
休館日月曜(祝日の場合、翌火曜休館)、年末年始
料金一般 1,500円、大学生/専門学生 800円、高校生以下 無料
主催・企画WHAT MUSEUM
企画協力TAKEUCHI COLLECTION
URLhttps://onl.tw/dk9WXD3