大竹伸朗「ビル景」概要
水戸芸術館では、絵画を中心に、印刷、音、写真や映像などの多彩な表現を展開し、1980年代初めのデビュー以降、幅広いジャンルに影響を与えてきたアーティスト、大竹伸朗(1955-)が約40年間にわたり描き続けている「ビル景」という絵画シリーズを展示する。
「ビル景」とは、現在の風景をそのまま描いたものではない。大竹の中に記憶された、香港、ロンドン、東京といった様々な都市の、湿度や熱、騒音、匂い。それらがランダムにミックスされ、「ビル」という形を伴って描き出される仮想の風景。今回、多数の未発表作品から最新作まで800点以上を調査し、ビルシリーズ全作品集の発行とあわせて、可能な限り展示することで、「ビル景」シリーズの全貌を明らかにする。
デジタル技術全盛の現代において、一人のアーティストが数十年にわたり、自らの手で絵を描き、作り続けることの意味とは何か本展を通じて感じられる内容となっている。
大竹伸朗
1955年、東京生まれ。1980年代初頭より国内外で作品発表を開始。
2006年初回顧展「大竹伸朗 全景1955-2006」(東京都現代美術館)以降、東京、香川、ソウル、ロンドン、シンガポール等で個展。光州ビエンナーレ(韓国)、ドクメンタ(13)(ドイツ)、ヴェネチア・ビエンナーレ(イタリア)、横浜トリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭はじめ国内外の国際展に参加。主なパブリックワークとして「シップヤード・ワークスシリーズ」「はいしゃ<舌上夢/ボッコン覗>」「直島銭湯 I♥湯」(直島,香川)、「女根/めこん」(女木島,香川)、「針工場」(豊島,直島)、「北の空に浮かぶカタチ」札幌市生涯学習センター、「種景」(伊方町)。エッセイ集『見えない音、聞こえない絵』『ビ』(共に新潮社)、絵本『ジャリおじさん』(福音館書店)等。最新作は2018年11月刊行『ナニカトナニカ』(新潮社)。エッセイ「見えない音、聴こえない絵」は月刊文芸誌『新潮』に現在も連載中。
会場 | 水戸芸術館現代美術ギャラリー |
会期 | 2019年7月13日[土]~10月6日[日] |
開催時間 | 9:30〜18:00(入場は17:30まで) |
休館日 | 月曜休館[ただし7月15日、8月12日、9月16日、23日(月・祝/振)は開館、翌火曜休館] |