重なり合う色の中に新たな調和を生み出す

門田光雅個展「Re-Color」が二子玉川ライズ『蔦屋家電』2Fのアルフレックスリストアで2025年4月22日(火)から5月11日(日)まで開催される。本展は箱根・ポーラ美術館で開催中の「カラーズ―色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」の連動企画。日常の風景や記憶に潜む色彩を繊細に捉え、重なり合う色の中に新たな調和を生み出している。

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道端に咲く小さな花の色から、前向きな気持ちをもらえたり、遠い日に見た海の色が褪せることなく、記憶の中で揺らいでいたり、色彩は、ありふれた日常の中にこそ、大切なものがあることに気付かせてくれます。

たった一つの色彩から多くの想像力が働いたり、あるいは逆に無数の色の組み合わせから、一つのイメージを思い浮かべられるということは、私たちは、いろいろな違いを受け入れたり、先入観を越えて結びつくこともできるという、証拠なのかもしれません。

また色彩は、調和や矛盾も共生しているものであるからこそ、私たちの見えない本質を探るためのヒントもそこにあるような感覚があります。

否定も肯定も等しく鬩ぎ合い響き合っているということ、またそれを幾度となく塗り重ねても、その正解や終わりが決してないということは、色彩が秘めている様々な可能性に、私たちがどのような覚悟で、どのように向き合うのかということを、むしろ問われているような気がしています。

2025年3月 門田光雅

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「birth」2025年 / Acrylic and Carborundum on cotton / H.730×W.608mm

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「camphor」 2024年 / Acrylic and Carborundum on cotton / H.1943×W.1620mm

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「beatles 2」 2022年 / Acrylic on Cotton / H.1305×W.636mm

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「鉾楯 34」 2024年 / Acrylic and Carborundum on Cotton / H.115×W.100mm

ポーラ美術館の「カラーズ―色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」では、《第2部 色彩の現在》に門田の代表作とともに、本展覧会のために制作したarflex(アルフレックス)のソファMARENCO(マレンコ)を立体キャンバスとして描いた作品2点《Dice (polychrome)》、《Dice (monochrome)》が展示されている。詳細は公式サイトで確認できる。

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photo by Ken Kato

門田 光雅

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1980年静岡県生まれ。2002年東京造形大学美術学科絵画専攻卒業、03年東京造形大学美術学科絵画専攻研究生修了。絵画表現の可能性をテーマに、鮮やかな色彩の抽象絵画を描く。

おもな展覧会

「絵画のミカタ 5人のアーティストとみる群馬県立近代美術館のコレクション」(群馬県立近代美術館、2020)
「The ENGINE 遊動される脳ミソ 小野耕石×門田光雅」(セゾン現代美術館、長野、2019)など

門田光雅作品展「Re-Color」開催概要

会期2025年4月22日(火)~5月11日(日)
時間11:00~19:00
会場アルフレックスリストア
URLhttps://tinyurl.com/53jh87rf