横須賀の無人島で夜に繰り広げられる芸術「Sense Island」今年のテーマは音

東京湾に浮かぶ無人島で暗闇の中で繰り広げられるアートイベント「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島2021」の最終日まであと残り10日となった。2019年秋、横須賀の無人島「猿島」にて芸術祭「Sense Island - 感覚の島-」を開催。観客はスマートフォンを受付で封印し、一度島内に放たれると暗闇の中で自分の感覚を研ぎ澄ませて猿島の自然と作品に対峙した。adf-web-magazine-sense-island-1

過去の芸術祭は自然と時間と感覚に向かい合う唯一無二の芸術祭として実施することができた。テクノロジーや時間の概念を取り払い、猿島にある自然の文脈を感じ自分自身と向き合うような作品や体験を通して、元々私たちが持っていたであろう”感覚”をもう一度取り戻したい。これまでの生活がコロナウイルスによって激変した今だからこそ、その思いを強く持ち、再び今年猿島でこの芸術祭を開催している。今回は世界各地で活躍するアーティストや注目の若手アーティスト、ブックディレクターなど13組が参加し、猿島のかつての記憶や音を想起させる作品を発表している。かつて要塞だった猿島の姿をアートを通じて新しい視点で捉え、未来へと伝えていく。

コロナ禍でも密にならない夜のアクティビティを

Sense Islandは開催当初からまん延防止等重点措置が適用されているが、人数制限を設定しながら野外で行うイベントのため密を作ることなく万全のコロナ対策によって運営されている。このような時だからこそ、アートを通じた夜のアクティビティを提供していきたいと考えている。

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幅允孝「孤読と共読の広場」共読編

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HAKUTEN CREATIVE(高橋匠/中榮康二/原慎太郎)「Observation Clock -時の観測台-」

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鮫島弓起雄「猿の居ない猿島」

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中﨑透「Red brick in the landscape」

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齋藤精一(panoramatiks)「JIKU #004_v2022 SARUSHIMA」

プロデューサーメッセージ

人は昔から自然と共生し、そこから文明は生まれ文化となり発展し続けている。しかしときに人は、人間の進化の速度が遅いがゆえに自分たちの環境を強制的に変化させ、その行為によって自然を滅ぼし、多くの過ちを引き起こした。今の時代は「人間中心」を再定義する時だとも言われている。Sense Island - 感覚の島- では、唯一無二の存在である自然島猿島だからこそ、知らずのうちに人工的に作ってしまった感覚を取り払い、テクノロジーや時間の概念を取り払い、猿島やそこにある自然の文脈を、そしてその文脈を感じるために自分自身と向き合うような作品や体験を通して失ってしまった”感覚”をもう一度取り戻す試みを行う。これまでの生活が一変した今、もう一度自分と自分の感覚を猿島で対峙させてほしいと考えている。

​SENSE ISLAND プロデューサー 齋藤 精一 株式会社アブストラクトエンジン代表取締役

1975年神奈川県生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からニューヨークで活動を開始。03年の越後妻有アートトリエンナーレでアーティストに選出されたのを機に帰国。フリーランスとして活動後、06年株式会社ライゾマティクスを設立。16年社内に設立された3部門の中のひとつ、「アーキテクチャー部門」を率いる。2020年ドバイ万博日本館クリエイティブアドバイザー。2025年大阪・関西万博People’s Living Labクリエイター。

「Sense Island」開催概要

タイトルSense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021
開催日時2022年1月22日 (土)から2022年3月6日 (日)まで  
開場時間16:50〜21:00
会場猿島一帯 (神奈川県横須賀市猿島1番)
観覧料
  • 一般大人=3,500円  
  • 小・中学生=1,500円
  • 横須賀市民 大人=2,500円
  • 小・中学生=1,000円