修復カプセルをサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)が取得

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは、2022年に解体された中銀カプセルタワービルの23カプセルを取り外して、黒川紀章建築都市設計事務所監修の下に修復をおこなった。これらを国内外の美術館や商業施設での展示や、宿泊施設などに再活用する「カプセル新陳代謝プロジェクト」を立ち上げた。そのうちの1カプセルをサンフランシスコ近代美術館が取得した。

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Noritaka Minami, Facade, 2011, archival pigment print

建築家 黒川紀章の代表作「中銀カプセルタワービル」(1972年-2022年)は、メタボリズム(新陳代謝)思想の建築として世界中の多くの方から愛されてきた。本来は古くなったカプセル(部屋)を交換することで、半永久的に使用できる建物として注目されたが、一度も交換されることはなく、2022年に解体された。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトはカプセルやメタボリズムの思想を後世に伝えたいとの思いから、「カプセル新陳代謝プロジェクト」を立ち上げ、140あったカプセル(部屋)のうち23カプセルを取り外し竣工時の姿に修復。それらを美術館や商業施設での展示や、宿泊施設などに再活用する。

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SFMOMA, photo:Jon McNeal, © Snøhetta

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A1302 photo:Nakagin Capsule Tower Preservation and Restoration Project

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A1302 photo:Nakagin Capsule Tower Preservation and Restoration Project

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

2014年に保存を望むオーナーと住人を中心に結成。2015年11月『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(青月社)、2020年12月『中銀カプセルスタイル:20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー』(草思社)、2022年3月『中銀カプセルタワービル 最後の記録』(草思社)等を出版。管理組合と協力体制を構築することで、見学会の開催や取材、撮影、またコミュニティーの形成にも力を注いできた。adf-web-magazine-nakagin-capsule-tower-building-3

黒川紀章建築都市設計事務所

黒川紀章は1960年弱冠26歳で建築の理論運動メタボリズムを提唱し、機械の時代から生命の時代への変革を主張してきた。設計活動は世界20ヵ国におよび、世界各地で完成した作品は高い評価を得ており、フランス建築アカデミーのゴールドメダル等を多数受賞。2007年に黒川紀章が他界した後、黒川紀章建築都市設計事務所は創立者黒川紀章によって構築されたブランドを継承し、国内外で設計活動を行う。近年では広島現代美術館改修、福井県恐竜博物館増築改修、在東京インドネシア共和国大使館なども手掛けている。