「地球にまかせる」作品群
TIERS GALLERYで四方謙一個展「Situated Situation」が2023年8月22日(火)まで開催中。本個展では主に3年前から取り組み始めたGravityシリーズの新旧作、色を用いた光の実験作品で構成されている。コロナ禍の作家のおかれた環境で始まった「地球にまかせる」をテーマにした重力によって変質し、周囲の状況が様々な「かたち」となり、現れる作品群となっている。
四方謙一は2010年頃より彫刻やインスタレーション、写真などの表現活動を展開してきたアーティスト。近年は、奥能登国際芸術際2020+への出展、山口銀行賞を受賞した第28回UBEビエンナーレでの野外彫刻展示など、多数の国際芸術際への出展、また渋谷・MIYASHITA PARK内の天井に設置された常設作品、大阪国際空港の壁面6箇所に設置された作品群など、大規模な作品の発表が続いている。一方、英アート雑誌『Aesthetica Magazine』が主催するAesthetica Art Prize 2020へのショートリストに選出されるなど、国外でも評価されている。
今回、四方にとって初となる色を用いた実験的作品も展示される。これらは「光とオブジェクトの実験的構成」として、オブジェクトの配置からできる空間を解釈するための光を用いた試行装置となる。「地球にまかせる」「光にまかせる」など作家の手を離れ、周囲の環境に委ねながら、相互に関わることで作品はかたちつくられ、さらには、それらもこの場となっていく。それは「周囲の状況が作品をつくり、その状況がこの場をつくっていく」状況の連鎖とも言える。
これら作品群の制作を始めた、自然や社会の変化に翻弄されたこの3年間を経て、現代社会はさらに複雑で多様な状況となった。これらは隠れて見えなかった、もしくは見てこなかっただけかもしれない。これらを読み解いていくだけでなく、読み替えそして発見する視点をもつこと、これからの未来に一つの示唆を与えてくれる、そのような関係をつくっていきたい。 四方 謙一
四方 謙一 / シカタ ケンイチ
1983年京都生まれ。2004年より野老朝雄氏に師事。2007年早稲田大学芸術学校建築設計科卒業。「Brillia Art Award 2022 “大賞”」(2022年 東京建物八重洲ビル THE GALLERY/東京)、「Aesthtetica Art Prize 2020 “Shortlist”」(2020年 York Art Gallery/York UK)、「第28回UBEビエンナーレ “山口銀行賞”」(2019年 彫刻の丘/宇部)など受賞多数。
四方謙一 個展「Situated Situation」 開催概要
会期 | 2023年8月11日(金)〜8月22日(火) |
時間 | 11:00 - 19:00(8/14~16は18:00まで) 8/19(土)はギャラリートークあり(16:30-17:30) |
会場 | TIERS GALLERY |
料金 | 無料 |
URL | https://onl.tw/rSViAer |