アート × マンガ 田名網敬一が最期に手がけたエネルギー溢れる一冊
88歳で永眠したアーティスト田名網敬一のアートディレクションによるアートブック『おもしろブック』が、集英社マンガアートヘリテージから発売される。田名網が生涯を通じて追求したアートとデザインの結晶ともいえるこの作品は1949年に創刊された集英社の「少年少女おもしろブック」から75年の時を経て、新たな命を吹き込まれる形で刊行される。また、2024年9月17日から11月10日まで、麻布台ヒルズの集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーで「おもしろブックWORLD」展も開催される。
田名網敬一と「おもしろブック」
中学生時代に「少年少女おもしろブック」に魅了された田名網敬一は、創刊当時の思い出を形にするべく、本書の企画からアートディレクション、デザインに至るまで深く関与。B4判のサイズで、当時の雑誌連載であった山川惣治の『少年王者』や杉浦茂の『猿飛佐助』を原寸大で再録し、赤塚不二夫と吉勝太による新作マンガも掲載されている。高発色UVインクによって表現されたビビッドな色彩が、田名網ならではのマジカルな世界観を映し出している。
コラボレーション
『おもしろブック』には、アート、マンガ、ファッション、音楽、文学、旅、料理、占いなど多岐にわたるジャンルの作品が収録されている。山川惣治、杉浦茂、赤塚不二夫らとのコラボレーションだけでなく、朝吹真理子の『goldfish dreaming』や坂田明 × いしいしんじの『大爆発』など、様々なクリエイターとコラボレーションした作品が並ぶ。『TTT / The Tanaami Tarot』の付録バージョンも収録され、大アルカナ22枚でタロット占いが楽しめる仕様となっている。
田名網敬一の最期のメッセージ
1966年に自費出版されたアーティストブック『田名網敬一の肖像』をもとに制作された『田名網敬一の肖像 / 再訪』も特別収録され、異なるページのイメージを活版平台印刷機で特色印刷し組み合わせるという独自の手法が取られている。田名網敬一が最期に手がけた「おもしろい」本として、そのエネルギーと創造性をページをめくるたびに感じ取ることができる一冊となっている。
展覧会情報
『おもしろブック』の発売を記念して、麻布台ヒルズの集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーで、田名網敬一「おもしろブックWORLD」展が開催される。アートブックの世界観を体感できる展示内容となっており、アートとマンガが織りなす独自の空間を堪能できる。
- 会場:集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー
- 住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1
- 会期:2024年9月17日から11月10日まで
- 時間:11:00 – 20:00
- 入場:無料
- URL:https://mangaart.jp/ja
田名網敬一『おもしろブック』書籍情報
発刊 | 集英社マンガアートヘリテージ |
仕様 | B4版、全202ページ |
価格 | 2,970円 |
販売 | 国立新美術館での特設ショップ、麻布台ヒルズのトーキョーギャラリー、蔦屋書店(代官山、銀座、京都、京都岡崎)のみの限定販売 |
URL | https://mangaart.jp/ja |