純粋な美術と、商業的なグラフィックデザインの境界が曖昧だった戦後間もない頃の"造形"と"人々"の交流を探究する

東京国立近代美術館で開催される「MOMAT コレクション」は、13,000点を超える東京国立近代美術館所蔵作品から選りすぐりの約200点を会期ごとに展示するイベント。2021年10月5日(火)から2022年2月13日(日)まで開催される今期の「MOMAT コレクション」の見どころの一つは、2つの部屋を使った小特集「純粋美術と宣伝美術」。純粋な美術と、商業的なグラフィックデザインの境界が曖昧だった戦後間もない頃の"造形"と"人々"の交流に焦点を絞る。起点となるのは、デザインが分野として確立し始める1950年代に生み出されたポスター。同時代の美術とデザインの関係を紐解くと、その造形的類似が浮かび上がる。

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山城隆一《日本宣伝美術会展》1952年

横のつながりに注目することで、山城隆一、山口正城、河原温、チャールズ&レイ・イームズ、猪熊弦一郎、北代省三、大辻清司、岡上淑子など、ポスター、家具、絵画、彫刻など各分野で評価されてきた作家の知られざる側面が見えてくる。 この他にも、1階企画展ギャラリーで開催される「民藝の 100 年」展(2021年10月26日〜2022年2月13日)に関連した展示や、昨年度、幅広い鑑賞の機会をつくるための取り組みの一環として制作した田中功起《ひとつの陶器を五人の陶芸家が作る(沈黙による試み)》(2013 年)の「手話とバリアフリー字幕版」(2020 年)なども展示される。

「MOMATコレクション」概要

会期2021年10月5日(火)〜2022年2月13日(日)
会場東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー 4〜2階
住所東京都千代田区北の丸公園3-1
休館日月曜日(2022年1月10日(月・祝)は開館)、年末年始(12月27日(月)〜1月1日(土))、1月11日(火)
開館時間10:00〜17:00(金・土曜日は10:00〜20:00)
観覧料一般 500円、大学生 250円