TOKYO TORCHでアートと経済が交差する新たな文化のプラットフォーム
カルチャー・ヴィジョン・ジャパン(CVJ)は日本現代美術商協会(CADAN)と協業し、三菱地所の協力のもと、TOKYO TORCH 銭瓶町ビルディング1階「ぜにがめプレイス」にて新スペース「CADAN大手町」の運営を開始する。展覧会は2025年10月31日(金)から11月21日(金)まで開催され、CADANメンバーギャラリーが2〜3週間ごとに交代で企画展を行う。
このスペースは現代アートに気軽に触れる場を提供すると同時に、大手町という立地を生かして周辺企業との連携によるアートプログラムやレクチャーも展開する予定だ。CVJ代表理事の井上智治は「アーティストを継続的に支えるプラットフォームとして、経済と文化の結びつきを推進する拠点となることを期待する」と述べている。また、CADAN代表理事・山本裕子(ANOMALY代表)は「CADAN有楽町に続き、今後も多様な展覧会やトークイベントを通じて新しい出会いを生み出したい」と語る。
オープニングを飾る展覧会「Transcending Borders 越境」では、大阪・京都を拠点とする4軒のギャラリーがそれぞれの視点から選出した8名のアーティストの作品を紹介。国境や地域、素材、技法、文化背景などの枠組みを超えた表現が集結する。作家には、井上廣子、笠原恵実子、黒田アキ、谷本真理、福岡道雄、藤安淳、藤原康博、松谷武判が名を連ね、それぞれの作品が「越境」というテーマを多角的に映し出す。
アーティストのプロフィール
井上廣子(いのうえ ひろこ)
写真作品を通して、孤立や境界といった社会的テーマに取り組む。ベルリンなど国際的にも活動。

1. 井上廣子 《Being in the Face #18_(Afghanistan)》 2025, archival pigment print, wax, 22.5×16cm, Courtesy of Yoshiaki Inoue Gallery
笠原恵実子(かさはら えみこ)
性差や宗教、植民地主義など社会構造に対する批評的視点を、写真や映像を含む多様なメディアで表現。
黒田アキ(くろだ あき)
1970年よりパリ在住。絵画・写真・舞台美術・インスタレーションなど多領域で国際的に活動する先駆的作家。
谷本真理(たにもと まり)
「遊び」や「偶然性」をテーマに彫刻作品を制作。軽やかでユーモアを感じさせる作風が特徴。
福岡道雄(ふくおか みちお)
戦後日本の現代彫刻を牽引。概念的アプローチと詩的な作品で知られ、晩年は「つくらない彫刻家」として活動。
藤安淳(ふじやす じゅん)
双子という自己の出発点から、アイデンティティや他者との関係性を探求する写真作品を発表。
藤原康博(ふじわら やすひろ)
夢や記憶の曖昧な輪郭を、平面・立体の領域を行き来しながら描く作家。国内外で展覧会多数。
松谷武判(まつたに たけさだ)
元「具体美術協会」メンバー。ボンドを用いた独自技法により、絵画と彫刻の境界を越える表現を追求。

7. 松谷武判 《Deux Cercles -09/ 円》 2009, Vinyl adhesive, graphite pencil, Japanese paper on canvas, mounted on plywood board, 21×15cm, Courtesy of Yoshiaki Inoue Gallery
「Transcending Borders 越境」開催概要
会期 | 2025年10月31日(金)から11月21日(金)まで |
時間 | 火曜〜土曜 12:00〜19:00 |
会場 | CADAN大手町 |
URL | https://cadan.org/ |