これまで手がけた展示の作家を集めた特別な展覧会
国内外アーティスト7名によるグループ展「Viewing Room」がGalerie Supermarktで2024年2月9日(金)から3月16日(土)まで開催される。本展は2022年のギャラリー創立以来これまでコラボしてきたアーティストの作品をセレクトし、Viewing Roomとして特別な展覧会として開催。東京で公開されていない人気若手作家Katie Tomlinson、Fu Siteの作品や、会場となるGalerie Supermarktのオーナーが収集してきたMiriam Cahn、猪瀬直哉の作品など個人コレクションも一部展示される。
参加アーティスト
エイミー・トン / Amy Tong
エイミーの活動は毎日のビデオや写真の撮影、日記の執筆、そして代々受け継がれてきた遺品の保管に至るまで、個人的で膨大なドキュメンテーションに根ざし、これらを融合させる作品となる。ビデオ、文章、ゼラチン、テキスタイル、ペイントなど、彼女の繊細なマルチメディアの実験は、世代間のトラウマ、神話、母系的なつながりについて考察している。
Florent Groc
人里離れた自然の中に身を置きインスピレーションを得たFlorentの作品には、生命力を感じさせる色彩で様々な植物が描かれている。文明から離れ自然を謳歌しているように描かれた人や動物は、生命力を湛える植物達に囲まれ、神話的な印象を与える。私達の文明社会は規律や区別、秩序をベースにして発展を遂げてきたが、Florentの描く神話的な世界観は調和をベースとした自然と人間のオルタナティブな親密さについて問いかけるかのよう。 Florentはこれまでにもフレスコ画など様々な表現方法で制作をしており、Hermèsとのコラボレーションやオルセー美術館での作品展示の経験を持つ。
Fu Site
Fu Siteの絵画作品は、現実と夢の間のような幻想的で超現実的な雰囲気を纏っており、具象と抽象の間を軽やかに揺らいでいる。そのため、Fu Siteの作品に描かれたイメージは鑑賞者の中であらゆる定義やカテゴリーから逃れ、分類されることなく漂う。
Katie Tomlinson
彼女の作品は、一見その明るく多様な色使いからも愛らしく遊び心を感じさせる雰囲気を感じさせるが、人間の心理的な葛藤やトラウマなどが独特な緊張感と共に描かれている。描くモチーフには、神話からの引用や美術史への言及など様々な意味が散りばめられており、その範囲は人間のパーソナルな葛藤からフェミニズムや男権社会への問題提起など社会的な課題にまで及ぶ。皮肉やユーモアを持って人間の暗い部分を描くことは、決して一枚岩ではない私たちの内面的な複雑さの受容なのかもしれない。ただ、彼女の作品ではそれは肯定と同義ではなく自らを知ることによる「その先」へと鑑賞者の目を向けさせるかのよう。
Miriam Cahn
路上にドローイングを描くパフォーマンスなどからアーティスト活動を開始し、90年代からは現在のスタイルである鮮やかな色彩と動的な筆使いを特徴とした油彩画を主軸に制作を続けている。その精緻で独自の感性に基づき色彩を用いてキャンバス上に人物の特定の身体部位、特に乳房や唇、そして目を際立たせるように描く。それらは脆弱さと繁殖能力を示唆しており人物に内在する生命感を表現している。
猪瀬直哉 / Naoya Inose
作品では、自然界とそこにおける人間の強欲な在り方、それによって生み出される不調和な関係性を探求している。細部まで精巧な風景と抽象的な世界を油絵の技術によってキャンバスに描き出す。その作品は私たちがどう自然と向き合っているのかを問い、またポストモダニズムにおける名画の役割、そしてそれがどのように変化しているかについて議論を始める。作品収蔵先にはベネトンコレクション、桶田コレクション、高橋コレクション、SEGA Sammyコレクションなど。
ウ・ジアル / Wu Jiaru
香港を拠点に活動。インスタレーション、レディ・メイド、ペインティング、ジェネレイティブ・デジタル・イメージの実験的制作を行うアーティスト。 彼女の作品は、神話、文学そして親密な関係の観点からアイデンティティ、境界線、歴史の個別化といった問題を探求している。
「Viewing Room」開催概要
会期 | 2024年2月9日(金)~3月16日(土) |
時間 | 12:00~18:00(日・月 休) |
会場 | Galerie Supermarkt |
URL | http://tinyurl.com/23jb93nk |