繊維強化コンクリート製のプランターが建物のファサードを飾る
SAVAは、ベトナム・ヴィン市の中心部に位置するコンバージョン & リノベーションプロジェクト「タビ・コスメティック・ショールーム」の計画を発表。一般的にヴィン市の建物は福祉に配慮せず急造されたり、ヨーロッパのコロニアル様式をそのまま模倣したりすることが多い中で、SAVAの提案は地域の文化や風土に配慮し、熱帯建築を現代的に解釈したものである。
既存の3階建ての店舗ビルは、電気・家電製品の販売を目的として2000年代初頭に建てられたが、クライアントはこれをウェルビーイング & ビューティースパに改修・改装することをSAVAに打診。魅力的なファサードを作ること。また、現在暗くてカビが生えている各スペースの内部には自然光と緑をふんだんに取り入れることがクライアントの要望であった。
SAVAは繊維強化コンクリート(FRP)製のプランターを建物のファサードとして使用することをソリューションとして提案。プランターはより高品質で短時間で製作できるようモジュールで設計され、ベトナムで利用できる標準的なトラックで簡単に輸送できるよう、サイズが最適化されている。
また、建物内に自然光を取り入れるため、建物中央の階段と床スラブの一部を解体し、天窓を備えたアトリウムを作ることにより、建物の最も暗い凹部を照らすことができる。さらに、アトリウムには既存の階段に代わる曲線の金属製階段が提案され、中央の緑の中庭の周りに戦略的に配置されている。同じ手法が建物の裏側にも適用され、表と裏の両方のファサード、そして屋上から自然光が入るように設計されている。
SAVA
SAVAはマレーシアのサバ州とベトナムのダナン市にオフィスを構えるデザインコンサルタント会社。アロン・ベイ・カワイとト・クアン・カムが共同で設立したこの会社は、ボルネオ島の北部とベトナム中部の海岸線からインスピレーションを得ている。SAVAは地元で調達した材料と地元の建築技術を活用し、あらゆる生活者のための空間をデザインすることにコミットして設立され、デザインは、特に都市環境において人々が自然に親しめるよう意図されている。SAVAのポートフォリオは、住宅、ホスピタリティ、商業プロジェクト、インテリアデザインなど多岐にわたり、さらにアジアやヨーロッパでのマスタープラン、住宅、竹建築の経験もある。