支援を必要とする人々に食料を配給するためのパビリオン

建築・ランドスケープ事務所ミクストゥーラがパビリオン・プロジェクトを発表した。‟パントリーにようこそ”と訳されているイタリア語の"Accogliena In Dispensa"の頭文字をとった「AIDi」は、イタリアのプーリア州テルリッツィ市にある。ベタニア・フランシスコ修道会の修道院に隣接し、街に向かって開放されている建物は修道院生活と街路生活を結びつけ、仲介する役割を担っている。

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south facade and main access to the portico
Photo credit: Cesare Querci

この建物には食料小包を保管する倉庫、冷蔵室、配給所、悩みを抱える人々の話しを聞くことのできる部屋、トイレ、食料を配給するためのドライブスルーなどが備わっている。また、建物は修道院の敷地の境界壁に建っており、敷地と一体となって内部と外部とのフィルター機能を果たしている。

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The building from the municipal street
Photo credit: Cesare Querci

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North-west facade
Photo credit: Cesare Querci

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At night plays of light blend with the wooden structure
Photo credit: Cesare Querci

プロジェクト

デザインは「もてなしの場としての家」というアイデアから生まれ、シンメトリーな屋根は建物の象徴となっている。伝統的な住宅の稜線を回転させ、主梁と副梁の位置を変えることでダイナミックな建物へと変貌を遂げている。複数の板を結合させた集成材を使用し、断熱材を挟み込んだプラットフォーム・フレームの構造となっており、屋根はアルミシートで覆われている。また、市街地を見下ろす箇所にはプライバシーを保護し、空調としても機能する木製のサンシェードが設置されている。

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The building
Photo credit: Cesare Querci

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West facade
Photo credit: Cesare Querci

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East facade at night. The brise-soleil system
Photo credit: Cesare Querci

建物を囲む緑地、道路、駐車場は、緑のセルフロック・エレメントの使用により土壌の透水性を最大限に確保し、日中の最も暑い時間帯の過熱を抑えるように設計されている。さらに、エネルギー面では隣接する修道院で稼働している太陽光発電パネルを活用している。「AIDi」は持続可能性と木造建築で名高いイタリア・ボルツァーノ見本市において、リマハウスが発表した「ウッド・アーキテクチャー・プライズ2024」の最終選考12作品の中から選ばれている。

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North facade
Photo credit: Cesare Querci

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Pantry interior
Photo credit: Cesare Querci

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Under the portico
Photo credit: Cesare Querci

ミクストゥーラ

ミクストゥーラは現代空間の形式的、社会的、美的次元の研究と設計に携わる建築・ランドスケープ事務所。グローバルに考えローカルに行動するミクストゥーラは、各現場の環境的・文化的特性を理解し、クライアントのニーズと組み合わせることで真にユニークで特別なものとなるよう、総和を超えたデザインを提供できるという強い信念を持っている。