モントリオールの修道院跡地にアイコニックなデザインの集合住宅が完成
モントリオールの建築設計事務所 ACDFアーキテクチャーが手掛けたメゾン・ウトルモンは、修道院跡地の美しい自然にアイコニックな建築が見事に溶け込んだ、新しいタイプの集合住宅である。
小・中規模住宅へハイクオリティな建築デザインが採用される潮流を受け、大型住宅においても、洗練されたインパクトのあるデザインへのニーズが増えてきている。当プロジェクトは、そのパラダイムシフトにより誕生した新たな集合住宅である。
モン・ロワイアルのふもとにある、緑豊かな修道院跡地に建設された当施設は、周囲の自然環境と既存のインフラに調和することを最も重要視して建てられた。そのために、現地のデベロッパーDemonfortと、自治体の都市計画課との密な連携が必要となった。モントリオールの目抜き通りであるコート・サンテ・カトリーヌ通りのランドマーク的存在であった、敷地内を流れる小川(リュイソー・プロヴォスト)や、修道院の主要施設などの、既存の地形や建築物を活かした設計となっている。
地形に調和する単世帯住宅の集合体をコンセプトとして設計された当プロジェクトは、同じようなレンガ造りのパーツを互い違いに積み上げたデザインとなっている。裏庭に面した建物部分は、修道院のシンプルでクラシックな描線をイメージし、刻まれた歴史を記憶している。各戸を囲う白いフレームワークは、修道院の柱廊の厳格な雰囲気をイメージ。地形をうまく利用することで、バルコニーからは至近距離で庭の景色を眺めることができる。地形を活かしたクラシックな厳格さと、明るく軽妙でリズミカルな雰囲気とが調和した空間が、そこに完成している。
屋内の公共スペースや廊下の一部は、地下に設計されており、地表の形状を活かして設計された角度のついたコンクリートの壁が、地形の険しさや露頭を表している。メゾン・ウトルモンは、地形に刻まれた歴史と自然と共存する、あらゆる形態の家族に対応した集合住宅となっている。
ACDFアーキテクチャーについて
ACDFアーキテクチャーは、モントリオールを拠点に、国際的に活動する、若くて勢いのある建築設計事務所。過去9年間に、商業施設、住居、ホテルの建築やインテリアデザインなど、あらゆる種類と規模のプロジェクトに意欲的に取り組んできた。Maxime-Alexis Frappier、Joan Renaud、そしてÉtienne Laplante Courchesneの指揮の元、流行にとらわれない、洗練されたスマートなプランニングを実践。その功績は、2010年のカナダ総督賞(建築部門)や、カナダ王立建築協会の若手建築家賞など、30を超えるアワードに見ることができる。