次の暮らし方を探る、リサーチに基づく未来のビジョン

未来はどのような姿をしているのだろうか。サイエンスフィクションとしてではなく、リサーチや素材実験、そして現実社会の課題に根ざしたものとして未来を思い描いたとき——。その問いを中心に据えるのが、コペンハーゲンの王立デンマーク・アカデミー(建築・デザイン・保存)で2026年4月16日(木)まで開催中の展覧会「Imagining the Future ― 建築とデザインを通して未来を想像する」。本展は、王立デンマーク・アカデミーの研究者、教育者、学生によって制作され、一部のプロジェクトは企業や文化機関との協働によって開発された。展示空間の枠を超え、実社会への応用を見据えた提案である点も特徴となっている。

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Photo: Karina Tengberg

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Photo: Karina Tengberg

本展では29のプロジェクトが紹介されており、いずれもリサーチと芸術的実践を基盤に、今後数十年にわたる私たちの生き方、建て方、考え方をどのように更新できるかを探るものとなっている。展示作品は空想的な未来像ではなく、環境・社会・文化的課題に応答する具体的な提案として提示されている。

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Photo: Karina Tengberg

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Photo: Karina Tengberg

来場者は、新素材やサステナブルな住宅モデルの研究に触れると同時に、人と人、そして自然とのより良い共存のあり方についての思考を促される。なかには将来の沿岸防災を構想するプロジェクトや、地球環境への配慮を最優先にした場合、ファッション産業はいかに変化し得るかを問い直す試みも含まれている。

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Photo: Karina Tengberg

また本展は、前進するためにあえて過去を振り返る。編み物や茅葺きといった伝統的な手仕事を再評価し、気温上昇に適応しながら資源消費を抑えるファサードや建築の可能性を探るプロジェクトも紹介。こうした取り組みは、歴史的な知恵がレジリエントな未来を形づくる上で重要な役割を果たし得ることを示している。

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Photo: Karina Tengberg

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さらに「Imagining the Future」は、建築家やデザイナーを、未来の社会像を可視化する文化的担い手として位置づける。マティルデ・アゲボ学長は、本展がアイデアと希望にかたちを与える場であると語る。新しい暮らし方や住まい方を構想することは、単なる問題解決にとどまらず、バランスの取れた社会のイメージを共有する行為でもあるという。

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Photo: Karina Tengberg

世界的な不確実性と急速な変化の只中にある今、本展では私たちが共感し得る未来像を共有することの重要性が訴求されている。会場では実践的な解決策とともに現代社会に対する批評的な視点も提示され、デザインが代替案を示すだけでなく、既存のシステムを問い直す営みであることを浮かび上がらせる。

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Photo: Karina Tengberg

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Photo: Karina Tengberg

「Imagining the Future ― 建築とデザインを通して未来を想像する」開催概要

会期2025年10月30日(木)~2026年4月16日(木)
会場王立デンマーク・アカデミー(建築・デザイン・保存)
URLhttps://tinyurl.com/mvnm4v3v