地方都市における持続可能な新しい働き方と暮らし方を提案
福井市の建築事務所hplusが運営する、地方都市の課題を解決を目的とした「人・まち・自然」がつながる持続可能な新しいコミュニティーとなる複合施設「h+BASE」が、地方都市における持続可能な新しい働き方と暮らし方の提案が評価され2023年に様々な賞を受賞した。「h+BASE」は2022年10月に福井県福井市に建設された、設計事務所が運営し事務所に併設の住戸やオフィスが集まったシェア型ショールームを基点とした繫りの多面化多層化による施設。
受賞一覧
第55回中部建築賞(一般作品、入賞)
日本空間デザイン賞2023(住空間部門、サステナブル空間賞)
2023年度グッドデザイン賞(建築 戸建て住宅〜小規模集合・共同住宅部門、グッドデザイン賞)
日本エコハウス大賞2023(新築部門、優秀賞)
ウッドデザイン賞2023(建築空間分野、ウッドデザイン賞)
デザインの背景
地域課題や世相を反映し以下のような背景があった。
人的交流を介さない集合住宅の増加と地域コミュニティの衰退
人の交流が少ない資産運用型の集合住宅の増加と地域コミュニティの衰退が進み、近代化による街との接点が少ない閉じられた労働環境が現在も増加中。住まいと職場をつなぐ主な移動手段は車が多く、人との接点が少ない。そんな地方の問題点を改善するQOLの高い暮らしと働き方をデザインを模索した。
地域に貢献する設計事務所
地域に開かれた設計事務所を目指し、意匠追求型ではなく設計監理の枠を超えたシームレスな提案ができる会社体制を構築したいと考えた。
資材価格やエネルギーコストの上昇
資材価格やエネルギーコストの高騰により建築を建てない時代になりつつある中、持続可能な200年使える建築を目指し、メンテナンス体制の確立、リユース・リノベーション・リパーパスできるシンプルな建築、自然エネルギーを活用した省エネ建築、リサイクルできる素材でつくる建築を目指した。
設計におけるポイント
設計において、江戸時代の長屋のような持続可能なコミュニティーのデザインと、地方都市における持続可能な暮らしと働き方を模索した新しいタイポロジー(類型・タイプ)のデザインを以下のように行った。
- 用途を多面化した繋がりによる、互いが助け合う江戸時代の長屋のような、持続可能な暮らしと生業のデザイン
- まちや住人が繋がる中間領域となるシェア型ショールームを設け、持続可能なコミュニティのデザイン
- 時間軸を多層化した繋がり(循環型経済)による地球にやさしい、持続可能なモノ(建築)とコトのデザイン
「h+BASE」概要
所在地 | 福井県福井市石盛町302番地 |
仕様 | 敷地面積:521.26 ㎡、建築面積:193.79 ㎡、延床面積:360.75 ㎡、 構造:木造、規模:地上2階、用途:集合住宅(5戸)・SOHO(1戸)・シェアオフィス(4席)・オフィス・シェア型ショールーム |
運営 | hplus |
URL | https://h-plus.biz/base/ |