Discover Japan 2021年4月号『テーマでめぐるニッポン』
ディスカバー・ジャパンが発行する月刊誌Discover Japan 2021年4月号『テーマでめぐるニッポン』が発売された。新型コロナウイルスの感染拡大により、暮らしは大きく変わった。その変化のひとつが移動の制限、旅ができなくなったこと。しかし、旅は人間が本能的に求めるものであり、なくすことは出来ない。事実、マイクロツーリズムという新しい旅のスタイルが生まれ、働き方においてもワーケーションや企業移住、多拠点生活など、以前のように元に戻るのではなく、凄まじい進化を遂げている。
本特集では、人がもつ知的好奇心の手引きとなれるよう、新しい観光のあり方に注目し、「文化」、「世界遺産」、「ワーケーション」、「食」、「クラフト」など、いま行くべき地域と、そこで何をすべきかをテーマごとに分けて提案。東日本大震災から10年を迎える東北エリアの旅も詳しく紹介している。目的をもって地域に根差した歴史・文化に触れることで、知っているようで知らなかった地域の魅力が見えてくる。
東日本大震災から10年の節目、石巻の地に出来るのは、文化・芸術の発信拠点「マルホンまきあーとテラス(石巻市複合文化施設)」。設計したのは、国内外で活躍する建築家の藤本壮介。震災直後、宮城・石巻地方には著名な建築家たちが集い、未来の地域のロールモデルをつくるべく復旧・復興に向けて動いた地域で、多種多様な建築物やランドスケープデザインが生まれている。本企画では、建築家の坂茂が手掛けた「JR女川駅+女川温泉ゆぽっぽ」や、オンデザインの西田司、勝邦義が生み出した石巻の交流拠点「IRORI石巻」のほか、世界を魅了するDIYメーカー「石巻工房」を生んだ建築家の芦沢啓治が設計した新たな宿泊施設「石巻ホームベース」など、多様な建築に出合える旅を提案している。
復興を目指してきた東北の各地域で、「テロワージュ」を合言葉にした新しい旅がはじまろうとしている。テロワージュとは、食と酒のペアリングを意味する「マリア―ジュ」と、気候風土、人の営みを表現する「テロワール」という二つの言葉による造語。食と酒を通して、地域のストーリーやを知ってほしいという想いから生まれた。
鹿児島のシンボルで、いまも日々火山活動を続ける桜島を抱く錦江湾(鹿児島湾)。ダイナミックな火山活動で誕生した錦江湾は、内海でありながら深海をもつ世界でも珍しい海。錦江湾を中心に、鹿児島の大地の力を感じられる絶景ポイント、錦江湾沿いの温泉、豚や焼酎、魚、黒牛、郷土料理といった鹿児島ならではの食、手仕事をめぐる旅を紹介する。
全国屈指の米どころ・福島県が、プライドを懸けて生み出した新ブランド米「福、笑い」。総合プロデューサーに就任したのは、福島県出身であり、「風とロック」を手掛ける箭内道彦。デザインは、アートディレクターの寄藤文平さんが担当。誌面では、2021年秋の本格デビューに先駆けて、「福、笑い」の魅力を5つのキーワードからひも解きつつ、仕掛人である箭内さんや寄藤さんへのインタビューを掲載。