革新性と持続可能性に貢献する優れたプロジェクト
Dezeen Awardsは世界中の建築・デザインにおける最高の栄誉を目指しており、今年も革新性と持続可能性に貢献する優れたプロジェクトが選出されました。2024年11月26日、ロンドンで開催されたDezeen Awards 2024授賞式にて、建築部門の全15カテゴリーの受賞作品が発表されました。今年はトルコ、ルワンダ、モロッコ、スコットランド、カナダ、フィンランドなど14か国から選ばれた建築プロジェクトが栄冠を手にしました。
NPO青山デザインフォーラム(ADF)は、メディアパートナーとして今年もDezeenアワード2024をサポートしています。
建築プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
台湾-レイハンリ市民センター(Taiwan-Reyhanli Centre for World Citizens)/ Studio Cho
このプロジェクトはシリア内戦や2023年のトルコ・シリア地震で影響を受けた人々のための地域センターであり、簡素な素材で壮大かつアクセス可能なデザインを実現しました。審査員は「建築がコミュニティを向上させる真の役割を体現している」と評価し、同プロジェクトは「市民プロジェクト・オブ・ザ・イヤー」にも選出されています。
都市住宅オブ・ザ・イヤー
ノースコートハウス(Northcote House) / LLDS Architects
オーストラリア・メルボルンにある自邸プロジェクト。曲線的な合板の屋根が特徴のデザインは、タウンハウスの新しい形を提案しました。審査員は「革新性と持続可能性を兼ね備えた未来の住宅モデル」と高く評価しました。
郊外住宅オブ・ザ・イヤー
Caochan na Creige / Izat Arundell
スコットランドのヘブリディーズ諸島に建てられた、地元の石材を使用したリモートハウス。景観に溶け込むデザインが特徴で、「コンパクトでありながら広々とした、持続可能な生活の好例」として評価されました。
住宅プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
サンドフォードロッジレジデンス(The Residences at Sandford Lodge) / Shay Cleary Architects
アイルランド・ダブリンの低層住宅団地。持続可能性を考慮した設計と、子どもの遊び場を重視した中庭が特徴で、「コミュニティの相互作用と安全性を向上させた現代的な住宅デザインの模範」と評価されました。
住宅リノベーション・オブ・ザ・イヤー
シャドウハウス(Shadow House) / Grotto Studio
オーストラリア・パースにある歴史的な住宅に焼杉板の増築を施したプロジェクト。審査員は「歴史的な要素を尊重しつつ現代的な機能を導入した」と絶賛しました。
文化プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
ウィスドームストックホルム(Wisdome Stockholm) / Elding Oscarson
スウェーデン国立科学技術博物館のための木造プラネタリウム拡張プロジェクト。審査員は「大胆なデザインと居心地のよい雰囲気を融合させ、プラネタリウム建築を再定義した」と評価しました。
職場プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
パヴィヨン・ジャルダン(Pavillon Jardins) / Atelier du Pont
パリにある木造オフィスビル。「モジュール要素の革新的な利用と持続可能性への配慮」で評価されました。
健康・福祉プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
チャーチルメドウズコミュニティセンター(Churchill Meadows Community Centre and Sports Park) / MJMA Architecture & Design
カナダ・ミシサガのスポーツコミュニティセンター。自然光を巧みに取り入れ、地域との連携を強調したデザインが評価されました。
教育プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
ルワンダ保全農業研究所(Rwanda Institute for Conservation Agriculture) / MASS Design Group
ルワンダ・ガショラの環境に調和するキャンパス設計。「地元の素材を活用し、地域社会の誇りを高める」建築として評価されました。
遺産プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
セッデュルバヒール要塞(Seddülbahir Fortress) / KOOP Architects
トルコのオスマン帝国時代の要塞を屋外博物館として再生。「過去と現代の調和」を達成した点が評価されました。
ホスピタリティプロジェクト・オブ・ザ・イヤー
メゾン・ブルンメル・マジョレル(Maison Brummell Majorelle) / Bergendy Cooke
モロッコ・マラケシュの土壁を使用したホテル。「現地の建築技法を革新的に再解釈した」として評価されました。
インフラ・輸送プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
メモリアルパークのランドブリッジ(The Land Bridge & Prairie at Memorial Park) / Nelson Byrd Woltz Landscape Architects
アメリカ・テキサスのパーク内に動物の生息地を創出するランドブリッジを建設。審査員は「生態系バランスの回復を示す好例」と評価しました。
小規模プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
マジャマジャ・オフグリッド・ヴィレッジ(Majamaja Off-Grid Village) / Littow Architectes and Majamaja
フィンランド・ヘルシンキの海岸にあるマイクロホーム群。持続可能なオフグリッド生活を実現したデザインが評価されました。
複合用途プロジェクト・オブ・ザ・イヤー
南頭ハイブリッドビルディング(Nantou Hybrid Building) / Urbanus
中国・深圳の既存建築を多用途建築に再利用。「地域の精神を捉えた設計」として評価されました。
ランドスケープ・都市デザインプロジェクト・オブ・ザ・イヤー
オペラパーク(The Opera Park) / Cobe
デンマーク・コペンハーゲンの内港に位置する公園プロジェクト。環境的・社会的利益をもたらす設計が評価されました。
Dezeen Awards
Dezeen Awardsは建築、インテリア、デザインの分野で革新性や持続可能性、社会的影響力に優れたプロジェクトを称える国際的なアワードです。2024年で8回目を迎え、世界中から多様で斬新なデザインを発掘し、デザインコミュニティの成長を支援しています。今年はBentleyとのコラボレーションを通じ、より良い未来を創造する革新を推進。Dezeen Awardsは、持続可能で優れたデザインを追求する人々にとっての重要なプラットフォームです。