GBCAの勝利の連鎖
トロントの建築事務所GBCA(Goldsmith Borgal & Company Ltd.)にとって、10月は大成功のうちに幕を閉じた。10年以上にわたってホールの遺産コンサルタントとして、当初は乗り越えられないと思われた複雑なデザインのプロジェクトの保存に成功し、1億8,400万ドルを投じたマッセイホール再生プロジェクト保存への取り組みが国、州、地域の管轄区域を越えて建築団体から評価されのだ。
マッセイホール再生プロジェクト - 受賞歴
GBCAはマッセイホールプロジェクトへの参加を通じて、カナダ遺産専門家協会による優秀賞、オンタリオ州建築保存協会による特別審査員賞、そして、街の象徴的なパフォーマンス会場の修復と再生に対してヘリテージトロントの2022工芸・技術賞を授与された。
私たちは、このような評価をいただき、本当に感謝しています。私たちにとって重要なのは、ホールの遺産を保存しながら、近代化するためのスペースを確保するという、適切なバランスを取ることでした。ホールのユニークな建築的アイデンティティを維持するために、関係するさまざまなチームの協力が必要だったのです。
GBCA社長兼シニアプリンシパル クリストファー・ボルガル
重要な遺産を保存
プロジェクトに携わる様々なチームを支援するため、GBCAは主席建築家KPMBとともに128年の歴史を持つホールを再生するための指針となる保存戦略を策定。このプロジェクトの目標は建物の主要な遺産を保護しながら、ホールに必要な改修を行うことであった。
漆喰装飾が施された天井
このプロジェクトで最も劇的で困難な修復は漆喰装飾の天井であった。50年以上にわたって金網で覆われていた天井の漆喰を修復し、一部の漆喰を取り除き、音響効果のある漆喰を導入してホールの音響効果を向上させた。
アールヌーボー調のステンドグラス
もうひとつの注目すべき保存修復は、アール・ヌーヴォー様式のステンドグラスを修復すること。1階の有名作曲家12人の肖像画を描いた窓をはじめ、長年にわたって塞がれていた100枚近い色とりどりの窓が発見され、修復された。
バルコニー・座席・鋳鉄製柱
客席のレイアウトを生かすため、バルコニーとギャラリーは鋳鉄製の柱で支えられたオリジナルのものを維持。また、バルコニーの前板は木製、ホールの手すりは金属製とし、古い座席の代わりに新しい座席を採用した。
アールデコ調のロビー
1930年代にアールデコ様式で改修されたホールのロビーは、ビクトリア朝時代の内装と外観上の矛盾はあるものの、すべての要素が保存・維持されている。テラゾー床、大理石の周囲、天井、壁など、それぞれの遺産がホールに歴史を刻み、保存された。
パラディオ様式の外観
ホールのパラディオ様式の外観では、オリジナルのデザインの一部であった非常階段が取り外され、その下にあるより重要な遺産が明らかになった。ドン・バレーの赤レンガや「マッセイ・ミュージック・ホール」と書かれたミッドセンチュリーの象徴的なネオンサインも修復され、再び設置された。
GBCAについて - Goldsmith Borgal & Company Ltd.
2001年に設立されたGBCA(Goldsmith Borgal & Company Ltd. Architects)は、受賞歴のある建築事務所で、遺産コンサルティング、技術コンサルティング、改修再利用、修復など、あらゆるサービスを提供している。トロントを拠点とするGBCAはプライムコンサルタントとして、あるいは大規模なチームの一員として建築・文化遺産の保存だけでなく、クライアントのニーズや希望をサポートする現代的な環境を作り出すためのスキル、感受性、専門知識を持っている。