多機能プレハブ・パラメトリック外骨格

アンドブラック・デザインスタジオは、展示ギャラリー、タウンホール、エキスポセンター、パフォーマンスアリーナ、さらにはバーやナイトクラブとしても使用できるブラックボックス、ダーウィン・バッキーを発表した。ダーウィン・バッキーは、公共の庭園や展示場、あるいは市街地にも設置できるように設計され、文化的背景からインド アーメダバード市が選ばれ、市内には同様のパフォーマンス・シアターが点在している。

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Photo credit: Vinay Panjwani

コンセプトと形態

ダーウィン・バッキーは、デザイン分野における物質性と技術の進歩のバランスを取り、素材として金属の工芸的知識に関与することを目指している。設計プロセスでは、指定された容積を達成するためにいくつかの変数をカスタマイズできる、非常に効率的なパラメトリック・モデルを使用している。計算モデルは、最適化されたテセレーションによって材料効率を達成するために、ベースの直径と動的な高さに適応することができる。

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Restaurant and Bar (Render)
Photo credit: Darwin Projects

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Black Box Theatre
Photo credit: Vinay Panjwani

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Meditation Retreat (Render)
Photo credit: Darwin Projects

素材と組み立て

ダーウィン・バッキーは現場で乾式組み立てができ、必要なときに分解できるプレハブ部品キットとして設計されている。鋼鉄、木材、アルミニウム、ガラスなどのレガシーな材料で作られており、耐久性とコストは従来の建物と同等である。台座や基礎の上に建てる必要もなく、運搬や建設に重機も必要ない。これらのユニークな要素により、ダーウィンの製品は道路へのアクセスが困難で、電力が不足し、掘削が望ましくない場所にこそ、理想的なのである。

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Assembly
Photo credit: Vinay Panjwani

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Photo credit: Vinay Panjwani

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Tessellated Form
Photo credit: Edmund Sumner

構造

ユニークな美的言語は、構造的な誠実さを意図して達成されている。520m³の広々とした容積は、現場で組み立てるユニークなシェル構造によって実現される。厚さ1mmの金属製断熱パネルを折りたたんだフラットパック・システムは輸送用コンテナで運ぶことが出来る。また、窓は空気循環のために下半分に設けられ、ユニークな窓パネルは中心軸に沿って回転するように設計されている。

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Side View
Photo credit: Vinay Panjwani

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Photo credit: Vinay Panjwani

インパクト

ダーウィンを使用することで、アーティストはディスプレイ、ステージ、観客とのインタラクションの様々な構成を作ることができ、観客はこの多目的な空間から訪れるたびに新しい光景を体験することができる。このプロジェクトは、地域社会が一体となり、交流し、パンデミックの間に失われたつながりを復活させることができる、積極的な活動を生み出す場となる。

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Ski Resort (Render)
Photo credit: Darwin Projects

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City Sqaure (Render)
Photo credit: Darwin Projects

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Golf Course Setting (Render)
Photo credit: Darwin Projects

アンドブラック・デザインスタジオ

アンドブラック・デザインスタジオは、建築、インテリア、アートインスタレーション、家具デザインの分野で、あらゆるスケールのソリューションを提供する学際的なデザインスタジオ。アンドブラックの哲学は、「ソリューション」に至るプロセスをデザインすることにあり、デザイン・プロセスは、コンセプトからディテール・デザインに至るまで、デザインの全段階に情報を提供するのに十分強固であるべきだというのが、彼らの最大の信念である。