パッケージという営みを異なる二つの視点から見つめ直す試み

TAKEO PAPER SHOW「PACKAGING―機能と笑い」越前・鯖江展が2024年10月3日(木)から11月3日(日)まで、福井ものづくりキャンパスで開催中。本展は紙の専門商社・竹尾が1965年より主催する紙とデザインのイベントで、「機能」と「笑い」というふたつの視点から「PACKAGING」の可能性を探求する。

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「機能」については、12組のクリエイターが近未来「PACKAGING」を競演。紙の真価を理解し、その豊かな感覚世界に通じている多方面の才能が参集し、実用レベルに考え抜かれた容器と包装を提案する。また「笑い」では、洗練やシンプリシティを目指すのではなくパッケージの役割は思わず手に取らせる力であるとして、これまでにない角度からのパッケージの魅力に迫る。

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機能|TAKT PROJECT『programmed PAPER』

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機能|nomena『おいしいかたち』

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笑い|EDEKA Einkaufskontor GmbH『HRUM&HRUM』

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笑い|就労支援センターNEST青葉町「富士宮にんじん」

イベントでは、著名なデザイナー陣によるギャラリーツアー(予約不要)やトークセッション(要予約)も併せて開催される。

ギャラリーツアー(原 研哉 × 梅原 真)

日時:2024年10月31日(木)16:00~17:30
会場:展示会場内
参加方法:事前申し込み不要


トークセッション

日時:2024年11月1日(金)13:00~14:30
原研哉 × 梅原真 × 津田淳子
会場:福井ものづくりキャンパス ワークルーム
参加方法:予約制・無料

2024年11月1日(金)15:30~17:00
原研哉 × 吉野敏充 × COCHAE(軸原ヨウスケ)
会場:福井ものづくりキャンパス ワークルーム
参加方法:予約制・無料

2024年11月2日(土)13:00~14:30
原研哉 × 原田祐馬 × 新山直広
会場:福井ものづくりキャンパス ワークルーム
参加方法:予約制・無料

登壇者プロフィール

原研哉

1958年生まれ。デザイナー。無印良品、蔦屋書店、GSIX、ヤマト運輸、Xiaomi等の仕事で知られる。竹尾ペーパーショウ「RE DESIGN」、「HAPTIC」、「SUBTLE」、他に「SENSEWARE」、「HOUSE VISION」などの展覧会を制作。外務省「JAPAN HOUSE」では総合プロデューサーを務め、近年はウェブサイト「低空飛行」を立ち上げ、日本列島やその風土に着目しはじめている。著書に『デザインのデザイン』、『日本のデザイン』、『低空飛行 この国のかたちへ』(岩波書店)『白』、『白百』(中央公論新社)など。

梅原真

1950年高知市生まれ、高知県在住。「土地の力を引き出すデザイン」をデザインする。柚子しかない村の「ぽん酢しょうゆ・ゆずの村」。かつおを藁で焼く「一本釣り・藁焼きたたき」。荒れ果てた栗の山から「しまんと地栗」。4kmの砂浜を巨大ミュージアムに見立てる「砂浜美術館」。島根県隠岐郡海士町のアイデンティティ「ないものはない」のプロデュースなど。2016年毎日デザイン賞特別賞受賞。武蔵野美術大学客員教授。

津田淳子

編集者・デザインのひきだし編集長。1974年神奈川県生まれ。編集プロダクション、出版社を経て、2005年にグラフィック社入社。2007年『デザインのひきだし』を創刊する。主な担当書籍『時代をひらく書体をつくる。』『印刷用紙サンプルBOOK』『印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像』『グッズ製作ガイドBOOK』『描き文字のデザイン』『印刷・加工DIYブック』『柚木沙弥郎のことば』、画集『ヒグチユウコ画集 CIRCUS』『宇野亞喜良クロニクル』など紙の本にこだわった書籍を企画・編集。『セブンルール』『世界はほしいモノにあふれてる』などのテレビ出演も行う。

吉野敏充

1979年生まれ、山形県新庄市出身、在住。SOFT ON DEMAND入社後SODアートワークスとして独立、代表取締役に。辞任後帰郷し、吉野敏充デザイン事務所を設立。地元である新庄最上地域を中心とした山形県の地域資源を活用したプロジェクトとして、生産者と消費者が会話を通じてつながる「kitokitoMarche」、地域のなんでもないと思われる人を取材し多様な人生を伝える『季刊にゃー』の制作・発行、民芸・工芸品のリデザイン・販路支援プロジェクト「山から福がおりてくる」の運営などを行っている。著書に『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる 地域×デザインの実践』(学芸出版社 /共著)。

COCHAE(軸原ヨウスケ)

“あそびのデザイン”をテーマに活動する軸原ヨウスケ、武田美貴、菅野沙耶(2020~)によるデザイン・ユニット。 2003年結成、「折紙をもっとポップに!」をキーワードにグラフィック折紙を制作。新しい視点を持った玩具や雑貨の開発、商品企画、展示やWSなど 幅広い活動を行っている。近年は山方永寿堂「岡山名物 きびだんご」や「紅だるま」などパッケージデザインを数多く手がける。著書に『妖怪おりがみ』 (講談社)、『カワイイヲリガミ細工』(誠文堂新光社)など多数。折り紙パズル「ファニーフェイスカード」がグッドデザイン賞受賞(2008)ほか、受賞多数。

原田祐馬

大阪府吹田市出身。京都精華大学芸術学部デザイン学科建築専攻卒業後、インターメディウム研究所7期生として入学。2005年まで在籍。アーティストの椿昇に師事し、UMA / design farmを設立。どく社共同代表。名古屋芸術大学特別客員教授、グッドデザイン賞審査委員、花園近鉄ライナーズコミュニケーションディレクター、Expo Outcome Design Committeeメンバー、DESIGNEAST実行委員会など。たんぽぽの家の播磨靖夫理事長から「領域を横断してプロジェクトを横串にし、ガラガラぽんするデザイナー」と言われたことがきっかけでその意識を持ち活動を続けている。フィールドワークと現場を大切にし日本中を移動する。愛犬の名前はわかめ。

新山直広

1985年大阪府生まれ。京都精華大学建築分野卒業。2009年福井県鯖江市に移住。鯖江市役所を経て2015年にTSUGI LLC.を設立。インタウンデザイナーの提唱者として、産業観光イベント「RENEW」、福井の地域産品店「SAVA!STORE」など、産業/地域/観光といった領域を横断しながら創造的な地域づくりを行っている。2022年に観光まちづくり会社SOEを設立。2023年には地域とデザインを探究するLIVE DESIGN Schoolを仲間たちと開校。グッドデザイン賞特別賞など受賞多数。著書に坂本大祐との共著『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる』(学芸出版)がある。グッドデザイン賞審査員。TSUGI代表/SOE副理事/クリエイティブディレクター。

TAKEO PAPER SHOW「PACKAGING―機能と笑い」越前・鯖江展 開催概要

会期10月31日(木)13:00~18:00
11月1日(金)~2日(土)10:00~18:00
11月3日(日)10:00~16:00
会場福井ものづくりキャンパス
料金無料
URLhttps://tinyurl.com/4y6v8jxk