光と音で行きかう人々と周辺環境のつながりを生み出す

アリゾナ運河からそびえ立つ5つのインタラクティブな水の分子「Molecules」は、アリゾナ州スコッツデールにある運河を行きかう人々と周囲の環境との相互作用で生命を吹き込まれる。アーバン・コンガによって制作されたこのインスタレーションでは、運河の中の水も、ひとのコミュニティと同じように近隣の要素による反応の周りに集まり、一連の人間関係のつながりによって作られていることを表している。

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A desert sunset of Molecules rising up from the Arizona Canal.
Photo credit: Andrew Pielage

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Photo credit: Charles Darr

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A women takes a photo of herself reflected onto the side of one of the Molecules.
Photo credit: Charles Darr

本作品は気候危機と私たちを取り巻く環境への個人的な影響について考えを馳せることを目指し、自由な遊びの体験として開発された。人々は自らの行動が、より大きな反応にどのような影響を与えうるか、そして隣人と協力することができれば、さらに大きな反応が生まれることを体感的に知ることができる。作品と光と音の反射を遊びの要素として活用して社会的な障壁を取り払い、人々が空間の中でつながり、時に不快な会話さえも交わすことができる。

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Photo credit: Andrew Pielage

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Parts of the forms were open to frame out views of the surrounding area and create unique mirroring inside the work both at night and during the day.
Photo credit: Andrew Pielage

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Visitors playing with the lights using their voices.
Photo credit: Charles Darr

この作品には5組の水の分子、つまり合計10個の水素原子と5個の酸素原子が運河の上に浮かんでいる。それぞれの分子は、使用者、周囲の状況、そして分子間の相互作用に反応し、遊び心のある発見をもたらす。日中、作品は自然光に反応し、見る角度によって色が変化する。各パネルは、風景や行き交う人々の動きを映し出すスクリーンのような役割を担っている。分子は運河の端に並んでおり、人々は作品に近づいて正20面体の球体のユニークな色と光の鏡の中で、自分の反射と戯れることができる。夜には来場者の声に反応するLED照明によってそれぞれの分子が内側から照らされる。各分子に設置されたインタラクション・ポイントは、人々の声が作品の照明を変化させ始める場所を示しており、人の声が周囲の環境に与える反射を強調している。人々がインタラクション・ポイントで話したり、歌ったり、叫んだりするにつれて、作品も反応し語り始める。人々は自分の物語を共有し、夢を語り、不満を叫び、さらにはインスタレーションに向かって歌を歌い始める。運河の向こう側、人々は遠くからでもその会話の様子、声の大きさやトーンによって照明が脈動したり色が変わったりするさまを観ることができる。あたかも運河の端を、人々が一緒に会話し、つながり、踊り、歌い、遊ぶための自発的な場所に変えるようである。

アーバン・コンガ

ライアン・スワンソンとマエガン・コールマン(AIA)が率いる、ニューヨーク州ブルックリンを拠点とする受賞歴のある学際的デザイン・スタジオ。オープンエンドな遊びを通してコミュニティの交流と社会的活動を喚起することに重点を置いており、彼らの作品は遊び場を超えた遊びの価値や、あらゆる場所で遊びを増やすことがいかに日常生活に劇的な影響を与えるかについて、人々に考えることを促す。これを実現するために遊びの方法論をデザインの重要なツールとして活用し、かつて見過ごされていた、あるいは十分に活用されていなかった状況を遊びを通して発見・探求し、他者と共感しようとする私たちの生来の意欲を呼び起こす刺激的な体験へと変える。包括的でマルチスケールの空間機会を創りだすことに重点を置いている。この仕事を通じて、自治体、コミュニティ、機関、民間企業、NGOなどと世界各地でコラボレーションを行い、マルチスケールの空間介入から、公共インスタレーション、一時的な活性化、ワークショップ、開発計画、公共政策の提言まで、多種多様な作品を提供している。