新作の家具「Fossilized Future」と新しい構造の風鈴「SEVEN」を発表
デザイナー小泉創はミラノで2024年4月15日(月)から21日 (日)まで開催される「Milan Design Week 2024」の期間中、デザインプラットフォームAlcovaに初出展し、「Fossilized Future」、と「SEVEN」の作品2点を発表する。本展では未来の化石化した姿を想像することから生まれた新作の家具「Fossilized Future」と、テンセグリティ構造を活かした新しい構造の風鈴「SEVEN」をAlcova が選定したミラノ首都圏で最も素晴らしいヴィラのひとつであるVilla Bagatti Valsecchiの歴史的な地下空間で展示される。
Fossilized Future
「Fossilized Future」は現代の資源が未来に化石化された姿を想像することから生まれた家具のコレクション。現在の資源が化石化されるほどの未来には、今の社会はどのように捉えられ、また今日の人間のものづくりは、未来にどれほどの影響を残せているのか。これらの家具が化石として発見されるほどの未来という視点から現代を俯瞰することで、新たな視点を提供する。家具は、現代の身の回りで生み出されたもので作られており、素材としては近所の森でナラ枯れによって伐採された木と、その周囲の土のような素材で構成される。この素材は土の成分である鉱物や炭だけでなく、籾殻やコーヒーの出涸らし、野菜の皮など、日常で廃棄された自然物も生活の痕跡として含まれており、言わば‟現代の土”となるマテリアルを独自で実験し開発した。これらの素材からできた大きな塊を、デザイナー自身によりチェンソーを用いて切削することで生み出されている。それは土中に埋まった化石を発掘するような作業であり、現れた断面の発見をそのまま生かしている。
SEVEN
「SEVEN」はテンセグリティ構造を活かした新しい構造の風鈴。「安定と不安の間」をテーマにしたこの作品は、近年の不安定な社会状況の中、人や社会は常に安定と不安を行き交い、一喜一憂し漂いながら生きている様子を反映している。テンセグリティ構造はまさに現在の社会を具現化したように、安定と不安定の間を彷徨う構造であり、その間には人の感情を動かす何かがあると考える。風などの外部からの力が働くことで均衡を保つために揺れが発生し、この揺れを音に変換することで、空間に音色を響き渡らせ、日々の生活に癒しや彩りを与える。「SEVEN」は全てのパーツが真鍮でできており、それらの絶妙なバランスで成り立っている。「SEVEN」の由来はテンセグリティ構造を活かしたことで、横から見ると"7"を組み合わせた形状になっていること、そして高岡の分業制により、合計で"7つ"の工場とその職人によって製作されていることから名付けられている。
Alcova
Alcovaは2018年にヴァレンティーナ・シウフ(スタジオ・ヴェデット)とジョセフ・グリマ(スペース・キャビア)によって設立され、「生きること」と「つくること」の未来を探求するデザイナー、企業、機関、研究者のためのプラットフォーム。毎年、世界最大のデザインイベントである「Milan Design Week」の期間中、Alcovaには、生活環境、製品、システム、素材、技術革新に関する画期的な作品を通じて、今日のデザイン文化を定義する人々が集い、Fuorisaloneで最も広く支持されるプロジェクトのひとつとなり、定期的に90,000人以上の来場者を集めている。
小泉創 プロフィール
デザイナー。2021年に東京でSO KOIZUMI DESIGNを設立。空間やプロダクトなど多岐にわたる領域のデザ インを手掛けている中で、定期的に自身の思考や実験的アプローチから生まれる作品を発表している。
「Exhibition Outline」開催概要
会期 | 2024年4月15 (月)から4月21日(日)まで |
時間 | 11:00~19:00 |
会場 | Villa Bagatti Valsecchi 地下 Room / S6 |