「KUMASHIMA」による家具 「Time & Style」製作

小倉縞縞は、2023年5月18日(木)、建築家 隈研吾とのコラボレーションによる、小倉織(こくらおり)の建築・インテリア向けテキスタイルブランド「KUMASHIMA」を発表し、「葉脈」シリーズとして新たなテキスタイル4柄を販売開始する。また「KUMASHIMA」を用いた家具をTime & Styleが発表する。adf-web-magazine-interior-textile-kumashima-1

KUMASHIMA

世界で活躍する建築家 隈研吾と、小倉織を復元・再生した染織家 築城則子。両者の出逢いにより、分野を超えたコラボレーション「KUMASHIMA」が誕生。これまで日本の伝統織物では活用が難しいとされてきた、建築、インテリア、家具をメイン用途として誕生したテキスタイルブランドとなる。「植物の力」 を共通言語としての創作活動が続き、自然の色彩を活かす築城則子の姿勢は、土着的な手法で建築を環境に溶け込ませる隈研吾に通じ、目指すイメージの共有に長い時間はかからなかった。縞の持つ抽象性に魅了された両者が生み出した新たな日本のテキスタイル表現で、小倉縞縞の追い求めてきた縞の世界が結実したブランドとなった。

「葉脈」シリーズ

高密度なたて糸で表現する、繊細で立体的な縞のグラデーション、リピートなしで布幅いっぱいに広がるダイナミックなデザインにより、建築やインテリア、家具に自然となじみながら独特の存在感を放つ。自然素材である木綿、そして草木をモチーフとした色、光からうまれる陰翳の美が葉脈のように浮かび上がる。

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左上から時計回りに、光放つ葉 Bright Leaves、闇の気 Air of Darkness、 深い森 Deep Forest 、無伴奏 白 Unaccompanied White

Time & Style製作家具

FU

「座布団を2枚組み合わせたようなソファが出来ないか」。そんな隈研吾の言葉からFUソファが生まれる。その後、ベッドとパーテーションが加わり、フレームの端部を摘まんだような形状が柔らかさとシャープさを持ち合わせ、細部に至るまで表情を持つ製品群。adf-web-magazine-interior-textile-kumashima-3adf-web-magazine-interior-textile-kumashima-4

KA

KAは隈研吾の建築と密接な関係性を持ったプロダクトだと言える。隈研吾の建築には水平でフラットな天井や壁があまり存在せず、。多面的に構成することで生まれる陰影が空間に奥行きを作っている。空間の中に三角錐が浮いたように存在するKAは、建築に呼応する。adf-web-magazine-interior-textile-kumashima-5adf-web-magazine-interior-textile-kumashima-6

小倉織

小倉織は江戸時代初期より、豊前小倉藩(現在の福岡県北九州市)で袴や帯などとして織られ、全国で珍重され、徳川家康も愛用した地厚で丈夫、しなやかな質感の木綿布。多用した経糸(たていと)が色のリズムを生み、立体感あふれるたて縞が特長。明治以降は学生服として全国で愛用され、400年以上にわたる歴史を持つ。昭和初期に一度途絶えたものの、染織家 築城 則子によって復元・再生され、現在も更なる進化を続けている。2022年「小倉織」は特許庁による地域団体商標に登録。また、手織りによる「小倉織」が、福岡県知事指定特産工芸品に指定されている。

隈研吾(KUMA KENGO)

1954年生。東京大学大学院建築学専攻修了。東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年に隈研吾建築都市設計事務所設立。これまで30か国を超える国々で建築を設計し、(日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、他)、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。

築城則子 (TSUIKI NORIKO)

1952年福岡県北九州市生まれ。1974年能装束の美しさに魅せられ、早稲田大学文学部中退、染織研究所で染織を学び、創作活動に入る。1984年小倉織を復元・再生。1994年小倉縮を復元・再生。伝統文化ポーラ賞優秀賞、第1回菊池寛実賞、北九州市民文化賞、福岡県文化賞、日本伝統工芸染織展で文化庁長官賞、MOA美術館賞など受賞歴多数。2007年より機械織ブランド「小倉 縞縞」のデザイン監修を担う。日本工芸会正会員。遊生染織工房主宰。

Time & Style              

日本の文化・伝統と現代の生活の融合をコンセプトにオリジナルの家具や食器等を企画、製造、販売するインテリアブランド。すべての製品は、自社工場(北海道・東川町)をはじめ全国各地に受け継がれている伝統技術と素材を活かしたものづくりを続けている。南青山、六本木、二子玉川、新宿のほか、ミラノ、アムステルダムに店舗を構える。

小倉 縞縞                  

1996年会社創業。2005 年広幅小倉織(たて縞・先染め)の機械織での生産の研究・開発に着手し成功。ファッション、インテリアにも対応可能な汎用品としての生地展開を始め、2007年伝統ある小倉織の丈夫で美しいたて縞という特長を活かした現代版小倉織ブランド「小倉 縞縞」が誕生。広幅の生地を活かし、プロダクトだけでなく、ストライプを生かしたデザイン制作など幅広く展開している。