視線を導く立体的な空間
デザイナー・建築家の山下泰樹が率いるDAFT about DRAFTがミラノサローネ国際家具見本市2025でインスタレーション「Pointillisme」を2025年4月8日(火)から4月13日(日)まで発表した。2023年の初出展から3回目となる。約1万個もの透明な球体をミラー張りの天井から吊り下げ、空間全体を使い光によって立体で表現。ヨーロッパ初公開となる新作チェア「No.15」を披露した。
等間隔に並んだ直径5cmの球体群は光を乱反射し、見る角度によって様々な表情を見せた。さらに、球体によるいくつもの規則的な列の交差によって、視線は奥行きを持つ放射状の直線へと導かれていき、その先にあるチェアに視点が集中。チェアの美しい有機的なフォルムを際立たせた。
No.15
シンプルさの中に優れた造形美が詰め込まれた一脚。丁寧に削り上げられた木の座面と、しなやかなフレームが描く繊細な線によってエレガントさと温かみを持ち合わせた佇まいが特徴のひとつ。丸みのあるラタン素材の背もたれは体を優しく受け止めてくれる快適さだけでなく、プロダクトのアイコンとなる意匠性が空間での存在感を引き立てる。
山下泰樹
DRAFT創業者・代表。山下泰樹建築デザイン研究所主宰。2008年にDRAFTを設立。インテリア・建築のデザインを中心に都市から家具づくりまで幅広いフィールドで活躍するデザイナー・建築家。
「空間は人を中心にデザインされるべき」という思想のもと、人が密接に関わる都市・建築・空間を再定義、再設計し続けている。山下自身、DRAFT内で行われる大半のプロジェクトを指揮し、100名を超える熟練したデザイナーたちと設計デザインを行っている。彼の世界観を体現したプロダクトブランド「DAFT about DRAFT」を 2022年にローンチ。Best of Year Awards最優秀賞 (2018)、 SBID International Design Awards アジア最優秀賞 (2023)、日経ニューオフィス賞経済産業大臣賞 (2023) など多数受賞。日本の若手デザイナーとして国際的評価も高い。