都市の課題を素材から捉え直すプロジェクトの第2弾、有機性廃棄物と3Dプリンターで作る家具
可能性をデザインする会社 NODは、大型の3Dプリンティングを手掛けるBooleanとともに有機廃棄物である「卵の殻」を素材として用いた、国内では初の大型3Dプリンター家具の製作に成功した。3Dプリンティング技術は、有機性廃棄物をマテリアル化し、デザイン性の高いプロダクトへと生まれ変わらせることができる。使い終わったり、壊れたプロダクトは、分解し、再び素材へと転換することで、環境負荷の低い半永久的なプロダクトを作り続けることができる。
本取り組みは、「都市の課題を、素材から捉えなおし、10年後の”当たり前”を作る」というコンセプトで、3Dプリンティングと再利用可能素材による循環型社会の実現を目指すプロジェクト「RECAPTURE」の一環。2021年8月に発表された、世界初の生分解性酢酸セルロース素材「NEQAS OCEAN」を使用した大型3DP家具に続く第2弾となる。
有機廃棄物を使った半永久的なプロダクトづくり
本プロジェクトは、有機廃棄物の素材化と半永久的なプロダクトづくりを目指している。卵の殻を素材化する段階では、ネクアスの特許技術「SANTEC-BIO」を用いて、樹脂にバイオマス資源を均一に分散させることで、高い物性の維持を実現。製造の段階では、Booleanが培ってきた大型3DPの経験とエンジニアリング力によって、一般的に3ヶ月から半年かかる新規素材でのプロダクト製造を1ヶ月のスピードで実施した。
有機廃棄物の再利用を促進し、持続可能な社会を目指す
食品などの製造工程から排出される有機廃棄物の再資源化は、持続可能な社会づくりのために欠かせない領域である。世界では、3Dプリンティング技術を用いた有機廃棄物の再利用が進んでいるが、日本ではほとんど事例がないのが実情。卵の殻を素材として利用する今回の家具は、KDDI研究所の運営する「KDDI research atelier(リサーチアトリエ)」で実際に利用されている。
有機廃棄物の再資源化で作る未来像
有機廃棄物の資源化、3Dプリンターによるプロダクト化のプロセスを用いることで実現できる未来とは…