ベルルッティ - ホーム&オフィス・オブジェコレクション
ベルルッティは、カール・オーボック工房、銀製品サン・ロレンツォ、サイモン・ハッサンなど、ヨーロッパの名高いメーカーと新たなホーム&オフィス オブジェ コレクションのコラボレーションを行い、1950年代から2000年代までの各年代に遡り、歴史に残るアフラ&トビア・スカルパやカール・オーボック2世と3世による象徴的作品や、サイモン・ハッサンに製作を依頼した。ホーム&オフィスコレクションは、2020年11月中旬より取り扱いが開始される。
カール・オーボック工房は19世紀後半創業のウィーンを拠点とする真鍮工房で、1920年代、ワイマールのバウハウスで学んだ最初の学生の一人だったカール・オーボック2世によって発展を遂げた。チーロ・カッキオーネが1970年に創業したサン・ロレンツォは、フランコ・アルビニやフランカ・ヘルク、アントニオ・ピヴァ、アフラ&トビア・スカルパ、レラ&マッシモ・ヴィネッリなど、世界的に有名なデザイナーや建築家たちと組んでコンテンポラリーなシルバー製品の傑作を生みだすことで他との差別化を図った。また、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート出身のサイモン・ハッサンは革製品のデザイナー・メーカーで、生の革を煮詰めるボイルドレザーという中世の技術を用いて自然でやや抽象的なフォルムの作品を作り上げる。
ベルルッティ ホーム&オフィス・オブジェコレクションには、カール・オーボック2世が1951年にデザインした、1950年代の真鍮鋳物のマガジンラックとレターオープナーに、ベルルッティを象徴するヴェネチアレザーを用いて手仕上げされたものや、ヴェネチアレザーを使った手縫い・総裏張り仕様の四方に傾斜をもたせた長方形の蓋つきボックスセットも揃えている。
アフラ&トビア・スカルパによる1996年に発表されたカルトッチョボウルは、手の中で形付けられた一枚の紙のように、自然に湧きあがったシンプルで心を揺さぶるデザインで、純銀の特徴を完璧に表現したもので、上質のヴェネチアレザーで外側を仕上げた。
サイモン・ハッサンがデザインした5種類の花瓶は、ベジタブルタンニンレザーを木型にかぶせて、お湯で加熱する15世紀の手工業の技術を用いて制作されたもの。デザイナー/メーカーとしてハッサンは唯一無二の存在であり、2008年からこの技術を発展させてきた。合わせ目をステンレスの金具で固定し、レジンで内側を固めたのち、ベルルッティのアトリエでブランドを象徴するパティーヌを手作業で施している。
今回のプロジェクトは、1950年から2020年までの70年にわたるデザインと400年以上に及ぶノウハウを象徴し、ベルルッティのレザー、銀細工師、金属細工師、デザイナー・メーカーのサヴォアフェールを結集したもの。これらのオブジェは、1950年代、スイスの建築家ピエール・ジャンヌレによって、インドのチャンディーガルにあるキャピトル・コンプレックスに備えつける家具として製作されたオリジナル作品を、フランソワ・ラファヌールが修復を行ったのちにヴェネチアレザーで張り替えられた。色は鮮やかで大胆だが、クリス・ヴァン・アッシュの発想の出発点となったのは、チャンディーガルで見た光の様子、建築物、景観、枝葉などの豊かな色の数々であった。