引き続き店舗での消費は控える傾向に
各国の消費者1,000人以上を対象に実施したアドビの調査(2021年)によれば、米国、イギリス、日本のうち、日本の消費者は前年と比較すると店舗を避ける傾向が強くなっており、3カ国中最も高い35%出会った(米国23%、イギリス26%)。これは主に、ほかの2カ国と比べてワクチンの接種が遅れている点(ワクチン接種済み回答者の割合:米国34%、イギリス65%、日本4%)や、度重なる国内での感染拡大が起因していると考えらる。実際に店舗で買い物をしている消費者についても、半数以上(63%)が適切な感染拡大防止措置を取っていることを重視して購入店舗を選んでいる傾向が明らかとなった。
家電製品の価格が高止まりする中、アパレルの価格は急降下
米国では、2020年4月に家電製品の価格の上昇に見舞われたものの、それ以降、継続的に減少し例年通りの傾向に戻った。日本では、家電製品の価格が継続的に上昇している。自宅で過ごす時間が増えた影響により、空気清浄機や掃除機など快適な住環境の構築から、トースターやホットプレートといった自炊を支える調理家電まで、日常生活の拡充に関心が高まるにつれ、家電製品全体の需要が喚起された。
アパレルの価格においては、この1年間、各国で同じような傾向が見られ、2020年4月に需要の減少に伴い急落したが、需給が安定した2020年10月には急上昇している。日本に関しては、2度目の緊急事態宣言が発出された2021年1月~3月で再び価格が大幅に下落し、外出自粛による需要の減少から改めてアパレルの価格が低下した。国内の消費者1,000人以上を対象としたアドビの調査から日本の消費者が過去4週間にオンラインで購入した商品を見てみると、食料品(43%)、健康・美容用品(29%)、衣類(28%)、家電製品(20%)の順となっており、この4つのカテゴリーがオンラインの売上高を牽引している。
さらに今回の調査では、日本の消費者のうち半数以上(52%)がパンデミック以前の状況に戻ったとしても、オンラインと店舗での消費行動は変わらないと回答していることから、企業は店舗からオンラインに移行している顧客、またその両方を併用する顧客のニーズを迅速に理解し、最適な顧客体験をリアルタイム提供していくことが求められる。
アドビのInternational Advisory Boardに参画している経済学者の竹中平蔵は、「業種や規模に関わらず、この1年で世界中の企業がEコマースを収益に貢献する大きな柱のひとつとして認識するようになりました。日本においても確実に消費のデジタル化が進んでおり、この傾向が戻ることはないと考えられます。企業にとっては、顧客の関心を捉え、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供して満足度の高いデジタル体験を実現することが、これからのビジネスの成長につながると考えられます」と述べている。
分析方法について
Adobe Digital Economy Index(DEI)は、1兆回を超えるサイトアクセス数と18の製品カテゴリーにおける1億以上のSKUをカバーするAdobe Analyticsの分析データを利用しており、同種の指標のなかで最も包括的なインサイトを提供。Adobe Analyticsは、米国の上位100のオンライン小売業者のうち80社による取り引きを測定しており、この数字は他のどのテクノロジー企業による分析をも上回る。DEIの測定に合わせて行われた補完調査は、米国、英国、日本の3カ国でそれぞれ18歳以上の消費者1,000人を対象に2021年2月26日~2021年3月2日、2021年3月24日~2021年3月29日に実施された。

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