サーキュラーエコノミーを体現した作品
オランダ人アーティスト、キース・デッカーズによる廃材を使った100%エコなチェア型アート『No Waste Chair』の日本からのオーダーの受付が開始された。デッカーズは本来であれば捨てられてしまう廃棄物を、100%リサイクルのアクリル素材で作られた椅子の枠組みに思い出と共に閉じ込め、独自のデザインセンスでアート作品に昇華。通常の椅子として使用でき、そのユニークなビジュアルからアクセントのあるインテリアとしても機能する。『No Waste Chair』はその名のとおりコンセプト、素材、制作過程、再生後の用途など全体をとおしてサーキュラーエコノミーを体現した作品となっている。
同シリーズはアート愛好家たちの間で評判なだけでなく、美術館や、オランダ王室からもオーダーを受け、現在は国王ウィレム=アレクサンダーのノールダインデ宮殿に2脚、また、オランダで最も古い市立美術館であるセントラル・ミュージアム(ユトレヒト)にも収蔵されている。チェアは「オーダーメイドコレクション」と、デッカーのセンスでセレクトした廃材を使った「ベーシックコレクション」の2種類からなり、日本からは両方とも購入が可能。ベーシックコレクションの中身はタバコの吸い殻、木材チップ、電子廃棄物、香水瓶、サッカーボール、衣類など。オーダーメイドコレクションでは、主に企業とのコラボレーションを通じて、企業廃棄物を利用した作品を展開している。
通常、廃材をリサイクルする際にはその過程でCO2が排出され、また企業にとっては金銭的な負担もかかる。一方『No Waste Chair』では廃材をそのまま実用的なアート作品に変身させるため、リサイクルにかかるエネルギーや費用を節約し、さらに美しいデザインと機能性、そして作品の背景にある「物語」を詰め込めるというメリットがある。
価格は480,000円から(送料別、木材チップを使用した場合の参考価格)。価格と制作期間はデザイン、廃材の種類によって異なる。詳細はメールにて要問い合わせ。日本語可。
キース・デッカーズ(Kees Dekkers)
1995年アムステルダム出身。2021年から本格的にアーティスト活動を開始し、サステナビリティーとデザインを融合を軸にした作品を展開。彼の代表作である『No Waste Chair』はアート愛好家たちの間で徐々に人気を博し、オランダで最も古い市立美術館であるセントラル・ミュージアム(ユトレヒト)などの美術館にも収蔵されている。さらに2022年にはオランダ王室からもオーダーを受けた実績を持つ。
彼の作品は、その革新的なデザインと環境への配慮が評価され、自転車レンタルサブスクリプションサービス大手であるSwapfiets(スワップ・フィーツ)や、イタリアのスポーツウェアブランド Colmar(コルマール)などといった大手企業とのコラボレーションも積極的に行っている。自身のアート作品を通じて、人々が自分自身を見つめ直し、新たな視点や気づきを得るきっかけを提供することを目指している。