都市や社会という世界の景色に在る「あなた」や「わたし」を捉える装置
四方謙一「小さな光はやがて群れとなる」が横濱ゲートタワー1F/Start Gallery 2+4で、2025年12月5日(金)から2026年3月29日(日)まで開催中。関連企画として聞き手に美術家の野老朝雄を迎えたトークイベントが、12月5日(金)18:00より横濱ゲートタワーエントランス奥フリースペースで予定されている。
アーティストステートメント
都市は巨大な一つの構造体であり、数えきれない「個」の連続によってかたちづくられている。無数の「個」は現れては消えその軌跡が重なり合うことで、都市という風景を生み出している。
—ある日、街の上空に黒い塊が現れた。ビルのあいだを移ろう影の正体は椋鳥の群れだった。
息子は不思議そうに見つめていたが、小さな鳥たちの集まりが一つの造形をなしているとわかり、愛着へと変わった。一つの生命体のようでもあった。—本作は、重力、空気や光の微細な動き、人や都市の流れなど環境に呼応する小さな立体群で構成される。鏡面板や色板がそれぞれに光を受け止め、小さな変化が互いに連鎖し、この場をゆるやかに変質させる。「個の変化が環境をつくり環境がまた個に影響を与える」関係の連鎖を風景として顕にする。
このウィンドウは、建物の内部であると同時に都市そのものでもある。片方のウィンドウでは、鏡面の立体は、都市の光や人の動きと同時に“あなた”という個も捉え風景に溶け込んでいく。一方では、各々の色板が、光を受けて多様な色彩を表し、内外を染める混色の光をつくる。この二つのウィンドウのそれぞれの光が、この街の一部としてこの場のかたちを浮かび上がらせる。そして、都市や社会という世界の景色に在る「あなた」や「わたし」を捉える装置ともなる。四方謙一
四方謙一
1983年京都府生まれ。早稲田大学芸術学校建築設計科卒業。金属や紙を用いたインスタレーションや彫刻、写真など多様な素材や現象を媒介に「場」のかたちや関係性を顕わにしながら世界のあり方を探求。主な作品や展示に、越後妻有 大地の芸術祭 冬(十日町)、東京ビエンナーレ、奥能登国際芸術祭(珠洲)、UBEビエンナーレ(宇部)などの国際芸術祭への出展、「Flowing time reflecting on the river」(MIYASHITA PARK)、「GLOWING GLOWING GROUND」(大阪国際空港)など大規模な常設作品も多数。
四方謙一「小さな光はやがて群れとなる」開催概要
| 会期 | 2025年12月5日(金)~2026年3月29日(日) |
| 会場 | 横濱ゲートタワー1F/Start Gallery 2+4 |
| URL | https://tinyurl.com/ycxurj66 |

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