Pollinator and Bird Gardenが高い評価を獲得

建築・デザインアワードとして最大規模を誇るArchitizerの2024年A+ Awardsが発表され、コロラド州フォートコリンズに拠点を置くランドスケープアーキテクチャ事務所のDidier Design Studioが、サステナブルランドスケープ / プランニング部門で2024年の審査員賞を受賞した。この部門は、持続可能なシステムや素材を取り入れ、倫理的なデザイン、施工、運用に関するベストプラクティスを実践したプロジェクトに贈られる。

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Where the Pollinators Are, by Didier Design Studio
Photo credit: Rob Cardillo

受賞プロジェクトとなったのは、ペンシルバニア州立大学アーボリータムにある「Pollinator and Bird Garden」で、世界中で減少する花粉媒介者と鳥の個体数を理解し、その原因を探るための研究の一環として設計された。3.5エーカーにわたるこの庭園は、次の3つの目標を掲げて設計されている。第一、現地で行われている科学研究を直接伝え解釈すること。第二、訪れる人々に花粉媒介者と鳥の生息地について学ぶ場を提供すること。そして第三に、訪問者が自宅の庭で都市生息地を実現するよう啓発すること。最後の目標は、すでに開発された景観に健康な生態系ネットワークを広げる大きな可能性を持っている。

Didier Design Studioは、デザインの専門家をチームに加え、ペンシルバニア州立大学の花粉媒介者研究センターのスタッフと協力してこのプロジェクトを進めた。長年の研究に基づき、多様な植物種を引き寄せるためのさまざまな生態条件をサポートするよう地形を変革した。地面を彫刻のように整え、粘土で覆ったスウェールから湿地に適したローム質の土壌、排水性に優れた砂礫土まで、7つの異なる土壌条件と花粉媒介者に適したマルチングを組み合わせ、新たな土地の類型を創り出している。

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Today, the garden brims with life. Where the Pollinators Are, by Didier Design Studio
Photo credit: Rob Cardillo

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The Beehive is a landmark and intimate space. Where the Pollinators Are, by Didier Design Studio
Photo credit: Rob Cardillo

Pollinator and Bird Gardenは初年度に340種類の耐寒性植物を展示し、そのうち78%が在来種もしくはその選定種であった。植物は、特に花粉媒介者や地域の定住・渡り鳥に対して、最大のライフサイクルサポートを提供するように選ばれている。この庭園は、2024年のWorld Landscape Architecture Awardのショートリストにも選出され、2022年にはアメリカランドスケープアーキテクチャ協会コロラド部門の名誉賞も受賞した。

Didier Design Studio

Didier Design Studioはデザインとプランニングのあらゆる側面に精通したランドスケープアーキテクチャ事務所。場所に根ざしたアートフルな介入を形作り、デザインを研究と協働に基づく変革のプロセスとして実践している。文化的関連性、生態学的パフォーマンス、美しさの観点から成功を測ることを目指している。