観る者に新たな気付きを与える先導者
菅木志雄個展「あるというものはなく、ないというものもない」が小山登美夫ギャラリー六本木で2024年4月27日(土)から6月8日(土)まで開催される。菅は60年代末~70年代の芸術運動「もの派」の主要メンバーとして活動、のちに50年以上独自の世界への視点と鋭敏な感覚で作品制作を行う戦後日本美術を代表するアーティスト。小山登美夫ギャラリー六本木では2015年から毎年新作を発表し、本個展が9回目の開催となる。
菅は、木、石、金属、ロープなどのありふれたものを時に融和、時に対峙させながら配置し作品として表す。「もの」と「場」、「もの」と「もの」が相互に依存し合う「連関性」 や「差異」、「複雑性」を 表わすことにより、その「もの」ならではの存在性を最大限に引き出し、見たことのない新しい景色や状況を鑑賞者に提示してきた。菅にとってものの意味や既成概念を徹底的に問い直すことが制作の重要な過程であり、作品の素材でしかなかった「もの」自体や、ものを知覚する「人間」、それらを取り囲む「自然」へ目を向け、あらゆるものは対等な関係であり、それが普遍的な世界のあり方だと菅は捉えている。
本展出品作「素空」では、長さが少しずつ異なるオレンジの細い角材が等間隔のようで等間隔でないピッチで枠内にぐるりと配置されている。それはどこをとっても同じようでいて同じ表情はなく、またその内空間を大きい板が縦断して細い角棒で全体の枠とつながることで作品に異空間が抱き込まれ、なにか不思議な新たな状況を生み出している。
菅 木志雄「あるというものはなく、ないというものもない」開催概要
会期 | 2024年4月27日(土)~6月8日(土) |
時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日・月・祝日 |
会場 | 小山登美夫ギャラリー六本木 |
料金 | 無料 |
URL | www.tomiokoyamagallery.com |