初のエッセイ刊行記念の個展
鈴木ヒラク個展「Works on Paper」が、鈴木による2つの著作『DRAWING ドローイング 点・線・面からチューブへ』、『今日の発掘』の刊行を記念してNADiff a/p/a/r/tで2024年2月29日(木)から3月24日(日)まで開催される。鈴木は平面・彫刻・パフォーマンスなど、ドローイングの概念を拡張する制作活動を続けるアーティスト。線をかく行為=ドローイングとは、潜在する線を発見していく「発掘」であり、線を「チューブ(管)」ととらえ、こちら側とあちら側の間にトンネルのような中空の通路を生成し、世界あるいは宇宙と一体化するための手段だと語っている。初のエッセイ、ドローイング論である『DRAWING ドローイング 点・線・面からチューブへ』と、群馬県立近代美術館で2023年に開催された個展のカタログ『今日の発掘』の2冊の著書は、鈴木がテーマとしてきた「描く/書くこととはなにか?」という根源的な問いに対する作家の現在地を示している。
本展では紙とインクによる新作のドローイング作品を中心に展示。昨年の9月から10月末にかけて、鈴木が南フランスにある数万年前の洞窟壁画を巡るなかで、絵と言葉が分化する時代以前の未解読の記号をスケッチ、それを解体・再構築して筆とスプレーで紙の上にかくことを試みたシリーズ「Untitled (Cave)」や、和紙を使用した「Untitled (Lights)」を中心に、群馬県立近代美術館で発表されたワークショップの痕跡「自然のマーカー」を本展にあわせて再構成。新しい方法や素材を取り入れ、フィールドワークを重ねながら、かくことに向きあう作家の姿が浮かび上がるような展示となっている。3月15日(金)には鈴木ヒラクとの親交の深いアーティスト、淺井裕介をゲストに迎えたトーク・セッションも行われる。
展示作品はNADiff a/p/a/r/t店頭とアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売される。店頭販売開始⽇は2024年2⽉29⽇(木)12:00、オンライン販売開始日は2024年3⽉7⽇(木)13:00。
鈴木ヒラク
1978年生まれ。アーティスト。東京芸術大学大学院修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどの各地で滞在制作を行う。描くと書くの間を主題に、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど様々な制作活動を展開し、ドローイングの拡張性を探求している。主な個展に『今日の発掘』群馬県立近代美術館(群馬、2023年)がある他、これまでに金沢21世紀美術館(石川、2009年)、森美術館(東京、2010年)、ヴロツワフ建築美術館(ポーランド、2015年)、銀川現代美術館(中国、2016年)、MOCO Panacée(フランス、2019年)、東京都現代美術館(東京、2019-2020年)など国内外の美術館で多数の展覧会に参加。現在、東京芸術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス准教授。
『DRAWING ドローイング 点・線・面からチューブへ』書籍概要
価格 | 2,640円(税込) |
発行年 | 2023年09月 |
発行元 | 左右社 |
装画 | 鈴木ヒラク |
仕様 | 四六判 上製 284ページ |
URL | http://tinyurl.com/2um4padw |
『今日の発掘』書籍概要
価格 | 2,200円(税込) |
発行年 | 2023年11月 |
発行元 | Drawing Tube |
監修 | 群馬県立近代美術館 |
執筆 | ボニー・マランカ(出版社PAJ Publications、雑誌『PAJ: A Journal of Performance and Art』発行人・編集者)、栗本高行(美術評論家) |
言語 | 日本語/英語 |
仕様 | B5判変形(255×180mm)/72ページ/スイス装(スケルトン装) |
URL | http://tinyurl.com/48tcx9k9 |
「Works on Paper」開催概要
会期 | 2024年2月29日(木)~3月24日(日) |
時間 | 12:00~20:00 |
定休日 | 月曜日 |
会場 | NADiff a/p/a/r/t1階、地下1階 NADiff Gallery |
料金 | 無料 |
URL | http://www.nadiff.com/?p=31684 |