コンペティションをサポートするADFがリサーチスタディ & 文化交流のためにフォーンフォン・ヤンを東京に招聘

タイ王立建築家協会(The Association of Siamese Architects)国際デザインコンペティションをサポートするADFは、「国際デザインコンペティション2019」の最優秀受賞者である建築デザイナー、ヤン・フォーンフォン(Yan Phornphong)を、リサーチスタディ&文化交流のために東京に招聘しました。受賞した作品タイトルは「永遠の持続可能性(The Eternity Sustainability)」、サブタイトルは、「亡骸を自然に戻すための新しいタイプのエコ火葬場」で、詳細はこちらをご参照下さい。adf-web-magazine-research-japan-is-everywhere-1

ヤン・フォーンフォンは、日本でのリサーチスタディを「"楽しい"デザイン、文化研究」として、110ページものレポートとしてまとめ、日出ずる国日本は、「高度な革新とダイナミックな動きが見られる国」であったと充実した滞在の成果を発表しました。特にデザインの分野では日本人の生活様式を多面的に結びつけており、日本のデザイン文化の重要な原動力の一つとして、自然災害、空間的制約、戦後の状況、高齢化社会など、様々な困難な状況を克服することを挙げています。adf-web-magazine-research-japan-is-everywhere-3

デザイン・アイデンティティの意味を探求し、進化し続ける

日本のデザインの運動と創造は、世界的に賞賛され、デザイン分野におけるロールモデルのひとつとなっています。ADF-青山デザインフォーラムが主催するこのリサーチ・ジャーニーは、日本人の日常生活の中で起きている様々な状況を「観察」し、リサーチャーのレンズを通して、日本人の生き方のDNAや日本のデザイン文化の本質を探る機会です。当初、この旅は2019年初頭に実施される予定でしたが、COVID-19のパンデミックにより2023年に延期され、海外渡航は一時保留となりました。パンデミック発生以来、ヤン・フォーンフォンは研究者として、バンコクをはじめとする主要都市において、社会のあらゆる次元で意図的に、あるいは意図せずに生み出された「日本化」あるいは「日本人化」の現象を観察してきました。adf-web-magazine-research-japan-is-everywhere-2

特にバンコクをはじめとする主要都市では「日本化」がタイ文化にシームレスに溶け込み、その結果、タイ社会の永続的な側面となった新しい日タイ混成様式が出現したことは否定できません。しかし、これは日本人にとって、楽しい、かわいい、奇妙、魅力的、不真面目、あるいは奇異に映るかもしれません。この、日タイハイブリッド文化は日本発祥の正統な日本文化と並行しながら、限りなく進化し続けることでしょう。

ヤン・フォーンフォン|Yan Phornphong

タイ バンコクのクリエイティブ-テリトリーの建築家。以前は、ブロオーレ・シーレン北京、メトロポリタン建築事務所(OMA)ロッテルダム事務所、HENNベルリンに勤務。2009年、タマサート大学建築・計画学部建築学科修士課程修了。その他の主な業績には、2012年にオランダのアムステルダムで開催されたタイ国立住宅公社のフローティングハウス研究フェローシップ、2012年イタリアのヴェネチア・ビエンナーレのタイ・パビリオンでの共同選抜展、2019年バンコクで開催されたASA国際デザインコンペティションでの大賞受賞などがある。