好きな色は何色?

東京を拠点に活動するフランス人建築家、アーティスト、デザイナーのエマニュエル・ムホーが、アルメールにある美術館M.のためのインスタレーション「100 colors no.45 " 8760 hours "」でオランダデビューを果たした。この空間インスタレーションは、没入型アートとランドアートの美術館からの依頼で、2023年7月20日からアルメーレの新市街にある美術館のパビリオンに展示される。インスタレーションの中を歩く来館者は、ユニークでカラフルな時間の流れを体験することになる。

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Emmanuelle Moureaux 100 colors no.45 “ 8760 hours ”
Photo credit: Erwin Budding

アルメール初となる展示

100 colors no.45 " 8760 hours "は、「100 colors」シリーズの45作目。この作品は、オランダで最も有名なニュータウン、アルメールにあるM美術館の依頼によるもので、ムホーの作品がオランダで展示されるのは初めてのことである。このインスタレーションは、100色の紙でできた8760個の時計で構成されており、それぞれの時計が1時間を表している。すべての時計を合わせると、1年間の時間数が描かれる。インスタレーション自体は静止しているが、来場者が通り抜けると時計の針が動いているように見える。M.の丸いパビリオンは、建築家デュオ、スタジオ・オシディアナによって、夏至を体験できる丸い天文台として設計された。このパビリオンは、ムホーのインスタレーションと組み合わされ、来場者が時間の概念、その経過、そしてそれに及ぼす色の影響を体験する道具のような錯覚を生み出す。

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Emmanuelle Moureaux 100 colors no.45 “ 8760 hours ”
Photo credit: Erwin Budding

美術館M.

Mはイマーシブ・アートとランド・アートのための美術館である。イマーシブとは「没入する」という意味で、まさにここのアートは来館者をその中に引き込み、その一部となり、あるいは参加させる。五感の饗宴としてのアートの場であり、世界観を変える場でもあるこの美術館は、できるだけ多くの人のためにある。芸術について何も知らなくても、創造性を掻き立てる出会いの場なのだ。

エマニュエル・ムホー

エマニュエル・ムホーは1996年から東京に住み、2003年に「emmanuelle moureaux architecture + design」(現在のエマニュエル・ムホー)を設立。東京の鮮やかな色彩に触発され、自ら開発した100色のパレットを制作し、これをもとに世界各地で「100 colors」と名付けたインスタレーションを展開。色で空間を仕切る(つくる)」というデザインコンセプトのもと、色を立体的な要素やレイヤーとして使い、空間を構成する。彼女の作品を通して、人々が五感で色彩を体験し、色彩豊かな日常の環境をより意識するようになることを望んでいる。