「つくる」(Making)ことで「なっていく」(Becoming)アーティストの軌跡を辿る

川井雄仁とアレクサ・クミコ・ハタナカによる二人展「ついたよ : Becoming by Making」が、KOTARO NUKAGA(六本木)で2026年3月14日(土)から4月10日(金)まで開催される。ポップでダイナミックな色と形をまといながら、粘土の可塑性と焼成の偶然性に向き合う川井と、染め、刷り、縫い、重ねることで、和紙を第二の皮膚のように扱い、身体の経験を映し出すハタナカは、今年5月開催の第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に参加することが決定している。

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タイトルの「ついたよ」は、「どこかに到着した」ことと同時に、待ち合わせの相手と「これから出発する」という可能性を内包する言葉。粘土をこね、紙を染め、つくり続けることで自らも変容をしつづけてきた二人の実践が、本展では「到着」と「出発」を往復する開かれた地点として表現される。

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川井雄仁《りんどう湖ファミリー牧場》2026

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川井雄仁《Mysterious Skin》2026

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川井雄仁《Louis Vuitton by Marc Jacobs》2026

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アレクサ・クミコ・ハタナカ《Noguchi Plaza Noren》(左)、《Ohayo Radio Noren》(右)2023

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アレクサ・クミコ・ハタナカ《Hazmat (Obachan and The Great Kantō)》2022

川井雄仁

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1984年茨城県生まれ。2007年チェルシー・カレッジ・オブ・アート(UAL)BA(Hons)ファインアート科卒業、2018年茨城県立笠間陶芸大学校研究科卒業。現在は茨城県にて制作を行っている。ロンドンで現代アートを学んだのちに、陶芸というメディウムと出会ったことで、創造性が解放され突破口を見出す体験をした。ダイナミックな色と形が特徴の陶芸作品は、美醜やユーモア、違和感が無秩序に交錯した自己の内面を重層的に表出している。まるで溶けているかのように、崩れかけの状態で積み上げられた土の塊は、粘土が可塑性を失うまでの限られた時間の中での思索の軌跡を留めている。川井が10代や20代の頃に刷り込まれたポップカルチャーへの重くて脆い憧憬と、それらに対する実存との乖離性という二つの面を作品は纏い、砂糖菓子のような可愛らしさと居心地の悪さの両方を孕んでいる。KOTARO NUKAGAでは個展として、2022年に「粒の数だけ 抱きしめて」、2025年に「神様、もう少しだけ」を開催。作品はそのほかに、パナソニック汐留美術館(東京 / 日本)、益子陶芸美術館(栃木 / 日本)、Steve Turner Gallery(ロサンゼルス / アメリカ)、Newchild Gallery(アントワープ / ベルギー)などで展示されてきた。コレクションとして、国立工芸館(石川 / 日本)、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン / イギリス)に収蔵されている。

アレクサ・クミコ・ハタナカ

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1988年カナダ トロント生まれ。日系カナダ人かつクィア・アーティストであり、双極性障害とともに生きる経験が作品制作の基盤となる。主に紙を用い、版画、インクドローイング、草木染めを縫製と組み合わせ、伝統的な紙の技法と素材を現代的に再解釈する。これらはハタナカの彫刻、大規模な版画インスタレーション、着用可能な彫刻立体作品として現れ、気候変動や精神的健康、生存といった問いに応答する。風景や魚、水域のモチーフは苦しみやしなやかさ、つながり、喜びを語る。ハタナカの実践には、10年にわたる極北でのコミュニティに根ざしたプロジェクトや、紙子(和紙で衣服を縫う慣習)を取り入れて再解釈する共同パフォーマンスが挙げられる。個人および共同制作の作品は、オンタリオ美術館、大英博物館、トロント・ビエンナーレなどで展示された。その他、コレクションとしてカナダ国立美術館(カナダ)、滋賀県立美術館(日本)、マテリアル・アート・アンド・デザイン博物館(アメリカ)に収蔵。

川井雄仁とアレクサ・クミコ・ハタナカ二人展「ついたよ : Becoming by Making」開催概要

会期2026年3月14日(土)~4月10日(金)
時間11:30~18:00 ※日月祝休廊
会場KOTARO NUKAGA(六本木)
URLhttps://tinyurl.com/y93pzrv7