建築・インテリアの多様な価値を社会に開く試み
tectureは建築・インテリア分野に特化した新しい空間デザインアワード「TECTURE AWARD」の第1回受賞結果を2025年3月31日に発表した。国内外から寄せられた875作品の中から一般投票を経てグランプリに選ばれたのは、小川次郎(アトリエ・シムサ)、小林靖(kittan studio)、池田聖太(3916)によるエバーフィールド木材加工場。同作品は地域資源と建築の関係性を丁寧に読み取り、未来へとつなぐ空間として高い支持を集めた。
一般投票型アワードとしての試み
「TECTURE AWARD」は審査員制ではなく、一般ユーザーによる投票で受賞作品を決定する点が特徴。特設サイトで応募全作品を公開し、ファーストラウンドでは投票数をリアルタイムで可視化する仕組みを導入。透明性を高めながら、より広い層に建築・インテリアへの関心を促した。初開催ながら、総投票数は35,173票、参加ユーザーは21,588人にのぼる。
上位入賞作品
- グランプリ:エバーフィールド木材加工場
小川次郎(アトリエ・シムサ)+小林靖(kittan studio)+池田聖太(3916) - 2位:SANU CABIN MOSS / ADX
- 3位:指宿白水館 白砂の間 / atelier SALAD
- 4位:桑原の家 / グランアーキテクト一級建築士事務所
- 5位:THE GOAT AWAJI / GOOD PLACE
スポンサーアワード / カテゴリーアワード
スポンサーアワードは18作品、カテゴリーアワードは15作品が選出された。
ARCHITECTS部門
住宅・公共施設・教育施設など9カテゴリーINTERIOR部門
オフィス・商業施設・宿泊施設など5カテゴリーに分かれ、多様な作品が受賞
賞金(総額320万円)
- グランプリ:100万円
- 2位:40万円
- 3位:15万円
- 4位:10万円
- 5位:5万円
- スポンサーアワード:各10万円
建築の魅力を社会に開く「場」
TECTURE AWARDでは同社が運営する空間デザインプラットフォーム「TECTURE」上のプロジェクトから簡単に応募できる仕組みを構築。設計者にとって応募のハードルが低く、初回ながら大規模な応募を集めた。今後はさらに参加数の拡大とプロジェクト登録の促進を図り、建築やインテリアの面白さをより広く社会に伝える場として機能を強化していく予定。次回開催も2025年に予定されている。
tecture
「空間デザインの未来をつくる」をミッションに、建築・インテリア業界のDX化を推進するスタートアップ。2020年にリリースした「TECTURE」は、設計業務を支援する空間デザインプラットフォームとして、プロジェクトと素材のデータベース機能を提供。同年開始の建築メディア「TECTURE MAG」は、月間30万人以上の読者を持つ。