垂直型アーバニズム「ザハ・ハディド・アーキテクツ」建築の革新性を紹介する展示会
香港デザイン・インスティテュート(HKDI)と香港職業教育学院は、提携するHKDIギャラリーと今年の旗艦展「ザハ・ハディド・アーキテクツ Vertical Urbanism」を建築における幅広いイノベーションを紹介する目的とともにギャラリーおよびバーチャルで2022年4月3日まで開催する。
技術図面やダイアグラム、CGビジュアライゼーション、建築モデルからビデオプロジェクションやバーチャルリアリティ体験まで、さまざまなプロジェクト記録ツールを用いたプロジェクトの展示を通じてザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)の建築におけるイノベーションを紹介することを目的としたオンライン展示は、世界中の多くの人々がZHAの形成期のプロジェクトを旅し、建築模型の細部を拡大し、マルチメディア要素を自由に体験できるようにするもの。この展覧会ではZHAが密集した都市環境の中で活気に満ちた持続可能なコミュニティ指向の空間を開発するためにとった様々なアプローチを紹介する。建築家である故ザハ・ハディド(1950-2016)は、建築に新たなレベルのダイナミズムを注入した。彼女のビジョンは爆発的、流動的、無限的であり、都市の要塞としての必要性を力強く問いかけ、連続的で活動的な地表を確立しようとするものであった。ハディドがそのキャリアの基盤とした調査精神は、ZHAの世界各地での画期的な作品に受け継がれている。HKDIは国際的な美術館、デザイン機関、デザイナーとのパートナーシップを通じてデザイン教育を推進し、業界の専門家、学生、デザイン愛好家の間の対話を促進することに取り組んでいる。
ZHA CODE
ZHA CODEは世界有数の科学機関と協力し、ロボット工学、人工知能、デジタルファブリケーションにおけるイノベーションを開発し、ZHAのデザインプロセスに反映させている。ZHA CODEは地域のサプライチェーン、材料、職人技、製造業を包括的に理解し、新しい建設技術を用いた設計と物流戦略を開発し、各プロジェクトの組み立てと運用において材料とエネルギーの使用をできる限り少なくし、基本的に持続可能であることを保証している。ロボットでプリントされた実験的な彫刻「Thallus(タラス)」などが注目の展示となっている。体験的でコミュニケーション価値のある垂直な都市建築を提供し、本展ではZHAが手がけた世界各地のタワープロジェクトの中から既存のタワー設計のパラダイムを超え、21世紀のアーバニズムを強化するための革新的な技術を紹介している。
地域別ハイライト
展覧会は入り口付近に展示されているザハ・ハディドの重要な作品、香港のピーク・プロジェクトから始まる。展覧会ではZHAのビジョンを凝縮した身近な受賞プロジェクト2つ、マカオのシティーオブドリームスのモーフィアスホテルと、香港のセントラルに完成予定の待望のザ・ヘンダーソンタワーも紹介されている。世界初の自由形状高層エクソスケルトンであるモーフィアスホテルアットシティオブドリームスマカオは2018年に開業し、敷地の既存の廃墟の土台を垂直に押し出すように設計されている。香港のヘンダーソンは都会のオアシスを創造した36階建の建物で、今にも咲きそうなバウヒニアのつぼみをイメージした構造形式と積層構造で構成されている。
香港デザイン・インスティテュート / HKDI について
香港デザイン・インスティテュート(HKDI)はVTCグループ傘下のメンバー機関のひとつで、香港で最も影響力のあるデザイン機関のひとつ。香港のクリエイティブ産業の発展を支えるデザイン人材を育成するため、知識と専門性を養う質の高い教育を提供している。デザイン教育において長年の経験を持つHKDIは、建築、インテリア、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザイン、デジタルメディア、ファッション・イメージデザインといったデザイン部門の強みを結集し、20以上のフルタイムデザインプログラムを提供し、21世紀の職場の需要に応え、社会的に意義のあるソリューションで即戦力となる学生を育成している。