未来に備える

光沢のある波板ガルバリウムで覆われた「ポケット・レーンウェイ・ハウス(路地に建つ小さな家)」は、カーポートの上部にそびえ立ち、螺旋状の杭に支えられたV字型の鋼製柱によって一部を支えられている。この目を引くツリーハウスのような形状は決して偶然の産物ではなく、この限られた敷地にある成熟したカエデの木の根を守るため、地面との接触を最小限に抑える設計となっている。

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Full view of exterior
Photo credit: Birdhouse Media

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Looking down stairs
Photo credit: David Whittaker

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Kitchen/Dining
Photo credit: David Whittaker

本住宅は2人の幼い子供と独立して生活する1人の年長の子供と同居する旅行作家と最近引退したバッファロー牧場主の夫婦が所有している。夫婦は、同じ敷地の道路に面した部分に位置している自宅の設計を成長する子供たちの変化するニーズだけでなく、自分たちの長期的な在宅介護計画にも対応できる場所として、先に設計事務所ワイス・アーキテクチャー+アーバンイズムに依頼していた経緯がある。そして今回、同敷地内に介護者用の住宅として使用するにもふさわしいレーンウェイハウスを建設したいと考え、再び同事務所に依頼した。

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Living Room
Photo credit: David Whittaker

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Bedroom
Photo credit: David Whittaker

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Entry gate from laneway
Photo credit: Birdhouse Media

目を引く構造物の外観について、ワイス・アーキテクチャー+アーバンイズムの創設者兼代表であるケビン・ワイスは自身の宇宙時代を彷彿とさせる幼少期を美学の源泉として挙げている。カーポートの底面に施されたセダーの板張りや、クライアントのフォークアートへの愛着から着想を得た鮮やかなアクセントカラーがレトロフューチャーな外観を絶妙に和らげる演出となっている。

ワイス・アーキテクチャー+アーバンイズム(Weiss Architecture & Urbanism Limited)

2012年に建築家兼都市デザイナーのケビン・ワイスによって設立。トロントを拠点とするデザイン・エクセレンスとイノベーションへのコミットメントで知られる。30年以上の経験を持ち、これまでにカスタム住宅、教育施設、公共施設プロジェクトに特化した事務所を手がけている。