ポップカルチャーと陶芸が交差する記憶のかたちー90年代の理想像と現在を陶土で再構築

KOTARO NUKAGA(天王洲)では2025年5月17日から6月28日まで、陶芸家・川井雄仁の個展「神様、もう少しだけ」を開催する。川井はセラミックを媒体に不安定な感情や記憶の断片を立ち上げる作風で知られ、国内外の美術館やフェアでも高い評価を受けている。adf-web-magazine-kotaro- nukaga

展覧会タイトルは1998年に放映されたテレビドラマ「神様、もう少しだけ」から着想を得ており、90年代後半から2000年代初頭のポップカルチャーが刷り込んだ「理想の家族像」を現在の自身と対比させながら、虚構や葛藤を内包する新作群を展開する。作品はまるで虚構の家族写真のように複雑に構成され、願望や羞恥、喪失といった多様な感情を土という柔らかく壊れやすい素材に込めている。本展では、川井が陶土を通して築く「崩れながらも立ち上がるかたち」に焦点を当て、社会的役割を演じきれなかったことへの戸惑いや、理想と現実の間で揺れる感情が静かに語られる。自身の内面をさらけ出すような作品群は、鑑賞者にとっても感情の共振を呼び起こすだろう。

川井雄仁 プロフィール

1984年茨城県生まれ。2007年チェルシー・カレッジ・オブ・アート(UAL)卒業。2018年茨城県立笠間陶芸大学校研究科修了。現在は茨城を拠点に活動。ロンドンでの現代アート教育と、日本での陶芸との出会いを通じ、色彩と形態、そして内面性を重視した表現を展開している。

川井雄仁「神様、もう少しだけ」開催概要

会期2025年5月17日(土)から6月28日(土)まで
時間11:00 – 18:00
休廊日、月、祝日
会場KOTARO NUKAGA(天王洲)
URLhttps://tinyurl.com/mr2wswet