建築・デザインで感じる「ドラマティック温泉街」
大分県別府温泉に位置する温泉旅館「界 別府」は、2022年12月1日より通年で建築家 隈研吾が手掛けたアートな温泉街をめぐる「デザイン・建築ツアー」を開催する。界 別府のコンセプトは「ドラマティック温泉街」。日本一の温泉地である別府温泉の往時の喧騒を館内で感じられるように館内に「温泉街」を表現し、時の移ろいと共に景色と館内で情景が変わる様を「ドラマティック」と表現している。
本ツアーはチェックインの際にスタッフ同行のもと行うツアーで、建築デザインの背景を知ることによりその後の宿泊を一層楽しむと同時に、設計・デザインを担当した隈研吾がそのコンセプトに共鳴し、建物の構造や館内装飾デザインに込めた想いやこだわりを知ることができる。
背景
星野リゾートの温泉旅館「界」の18施設目として2021年に開業した界 別府のコンセプトは「ドラマティック温泉街」。設計・デザインを担当した隈研吾はそのコンセプトに共鳴し、現代建築の中に温泉街を表現した。ひとつの建物の中で空間が切り替わったように感じる大胆な空間演出から目を凝らしてみると、くすっと笑ってしまうような細やかなデザインまで、数多くの意匠が施されている。そのデザインの裏側を知って、宿泊をより楽しんで欲しいという思いを込めて本企画に至る。
建築家 隈研吾が手掛けたアートな温泉街をめぐる「デザイン・建築ツアー」の見どころ
1.コンセプト「ドラマティック温泉街」を表現したデザイン
コンセプト「ドラマティック温泉街」を建築デザインで表現するにあたり、隈研吾は「そぞろ歩きをして外湯である湯小屋に出かけたり、庭園を散策したり、御土産物屋や遊び場などいろいろな店で寄り道をして楽しんだり、歩き疲れたら海風にふかれて足湯で一休みしたり、そのような街そのものをデザインした。」とコメント。1つの現代建築の中に温泉街が浮かび上がるよう、半屋外空間を介して湯小屋へアプローチできるよう設計されていたり、温泉街の様々な店の門構えを演出するため多様な素材、色を使い分け、提灯、行灯、光壁など様々なかたちの光の演出がされており、工夫に満ちた意匠の背景を知ることができる。
2.建築に馴染む地元素材
内観には竹、別府石、臼杵(うすき)焼、豊後絞りなど、随所に地元の素材が使われている。食事処は黒い塗装の空間のなかに軽やかな竹のすだれが様々な高さ、幅でランダムに浮かび半個室空間を形成。大浴場の壁面には磁器「臼杵焼き」が400個はめ込まれ、間接照明の柔らかい光によってキラリと輝く。地元素材が意外性ある形で取り入れられ、デザインの中で発見するのも楽しみのひとつとなる。
3.遊び心あるディティール
館内は伝統的な温泉地の路地を歩いているような懐かしさを感じつつも、わくわくするような遊び心のあるデザインに満ちている。ロビーには温泉の象徴である湯桶を積んだような手湯や、別府の魚商人の屋台からインスピレーションを得た台車、「BEPPU(別府)」のBをかたどった特徴的な脚をもつスツールなど様々な仕掛けが多数。また、館内の各所に掲げられたサインにはオリジナルのピクトグラムが採用されている。
界
「界」は星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたおもてなしを追求している。また、その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地(とうち)楽(がく)」や、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴。全国各地に展開しており、2022年11月には「界 玉造」が島根県・玉造温泉にて改装をへて再開業、「界 出雲」が同県・出雲ひのみさき温泉に、「界 雲仙」が長崎県・雲仙温泉に開業。
界 別府(大分県・別府温泉)
日本一の源泉数及び湧出量を誇る別府温泉に位置する温泉宿。館内は、和紙のちょうちんが彩り、石畳が連なる湯の広場など、賑やかな別府の温泉街を彷彿させるつくり。客室はまるで1枚の絵画のような海の景色に包まれ、時の移ろいによりドラマティックに表情を変化させる別府の魅力を楽しめる。
〒874-0920 大分県別府市北浜 2-14-29 / 客室数:70室
建築家 隈研吾が手掛けたアートな温泉街をめぐる「デザイン・建築ツアー」
開催日 | 2022年12月1日~通年 |
時間 | 14:00~15:00 |
料金 | 1人3,000円(税・サ込) |