技術的な正確さと職人の熟練技が出会う

フアン・パブロ・オルティスタラー建築事務所が、コロンビアのボゴタにあるハベリアナ大学工学部の増築改修工事を終えた。本プロジェクトは2014年にコンペが行われ、同大学の既存のレンガ構造と増築部分の新しい鉄塔をシームレスに統合した複合建築が求められた。完成した建築物はアンデス山脈のふもと、標高2,600メートルに位置し、優れた持続可能性と技術的な偉業を成し遂げている。

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Photo credit: @alejoarango_pr

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本プロジェクトでは、7,294m2の既存のレンガ造りの既存の建物を改修し体積炭素を削減、資源とエネルギーを節約し寿命を延ばすことが必須であった。改修においては、文化的・遺産的な特徴よりも、現実的なニーズや生態学的な利点が優先された。統合プロセスでは建物を現代の基準に合わせエネルギー効率を高め、共同作業とコミュニティ形成にふさわしい職務室も配置。敷地は非常に狭く道路への出入り口も限られていたため、大規模な型枠や資材を運び入れるよりも、プレハブや現場での組み立てを優先した建設となった。

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この複合施設の特筆すべき点として、新旧の校舎を橋渡しし、キャンパスのさまざまなレベルの歩行者ネットワークとつながる共同スペース「アトリウム」が挙げられる。この前庭のような空間は、工学部へのアクセスやミーティングエリアとなり、内側のレンガ造りのファサードを、吸音、熱調整、視覚的なアピールに優れた垂直の庭園に変えている。

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キャンパスから74mの高さにある14,089m2の鉄骨造の増築部分は15階と3つの地下室で構成され、研究・学習のための94の研究室、15の教室、700m2の学生向けの学習スペースがある。多くの研究室が開かれたスペースとして異なる研究分野や学問領域間の関わりや交流を促進する役割を担う。インフラストラクチャーは学部を構成する4学科:土木工学、電子工学、産業工学、システム工学に対応し、今後予定されているプログラムにも対応予定である。

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建物のデザインは、開放的な身廊と構造的なファサードを持つ塔という2つの鉄骨関連建築からインスピレーションを得ている。アトリウムは前者を体現し、タワーはファサードと構造が一体となった構造管鉄骨のガイドラインに従っている。

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建物の外壁は、ラミネート加工されたLow-Eガラスを使用したインナーカーテンウォールが特徴で、周囲の地形や街並みの眺望を最適化しながらエネルギー負荷を軽減している。中高層の機械フロアには中央配気システムが設置され、屋上は共用テラスとして利用できるようになっている。

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掘削中、1,880トンのハーフインチ厚の構造用鋼板が加工され、管理された環境でプレハブ化された。構造用鋼管フレームは、真鍮色のファサード全体にわたって100%連続溶接で接合された81本の特注中空断面柱によって連結された。

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この設計は技術的な課題をクリアしているだけでなく、学部と国の未来を形作る一歩ともいえる。正式なオープンからわずかな期間で、地元だけでなく、地域的にも工学分野の研究やコラボレーションに刺激を与えている好例である。

タラー建築事務所

ボゴタとアムステルダムを拠点に、研究、建築、テリトリー(都市・景観デザイン)の分野で活動。2009年にコロンビアのボゴタで設立され、創設者ジュリアン・レストレポとパブロ・フォレロのクリエイティブ・ディレクションのもと、現在21名のスタッフを擁している。