ミニマルで機能的なインスタレーション空間を生み出したオフィス再構築プロジェクト

新しいEG Electric本社は、カナダの建築家 Jean Vervilleが創り出す、折衷的な描写が特徴の世界観が、現実の空間となって現れたプロジェクトである。廃屋となった1980年代の産業ビルに、Jean Verville Architecteが遊び心のあるアプローチで手を加え、機能性と審美性が共存するミニマルな空間が実現した。

adf-web-magazine-eg-headquarter-jean-verville-architecte-2

Digital Collage by studio Jean Verville architectes, Photo credit: Félix Michaud

カナダの電気工事業者EG Electricの新本社は、電気工に馴染みのある素材、ステンレススチールを多用し、特徴的な空間を構成している。ステンレススチール製の支柱を250本使用し、オフィススペースを適度な距離感の区分けで分割している。このイレギュラーなフレームで空間が縦方向に分割され、それぞれの空間の境界を明確にしている。ステンレススチールは、家具を支える部分や、配線のカバー、パーティションとしても利用されている。打放しコンクリートと、ステンレススチールの鏡面、そして半透明のパーテーションが、工業的な無機質さを表す一方で、机や床の鮮やかなオレンジがアクセントとなり、審美性を増幅させる要素となっている。この化学反応は、フリーアドレスのオフィススタイルを再解釈し、ミニマリストかつ表情豊かな新しいオフィスコンセプトの提案に繋がっている。

adf-web-magazine-eg-headquarter-jean-verville-architecte-6

Photo credit: Félix Michaud

adf-web-magazine-eg-headquarter-jean-verville-architecte-7

Photo credit: Félix Michaud

レイアウトは、心理的・物理的なウェルビーイングを考慮し、適度な距離感で区分けされており、従業員同士の円滑なコミュニケーションを可能にしている。また、個別スペースだけでなく、ミーティングスペースや休憩所、運動や娯楽のスペースも設けている。手狭だったオフィススペースは、受付、事務所、会議室、キッチン、従業員用の部屋、倉庫、全てが揃った広い空間に再構築された。スペースを必要とする個別の作業場とグループの作業場は、広大なスペースを占めていた倉庫部分から引き込んだ。既存の防火壁を取り払い、コンクリートブロックを積み重ねて連結したレールや階段は、上階の事務所と下階の新しいセクションを繋げている。この作業場は、コンクリートブロックで区分けされ、6mの天井高で、充分なボリュームを各スペースにもたらしている。作業の効率化のため、倉庫と作業スペースは同じ階に設置されている。自然光を最大限に採り入れるため、大きなガレージの扉はカーテンウォールに置きかえられ、屋根には既存のフレームに合わせた天窓を6枚取り付けた。屋内に降り注いだ光は、半透明のパーティションによって拡散され、動きのある光が空間を包むことで幻想的な独特の世界観が広がる。

adf-web-magazine-eg-headquarter-jean-verville-architecte-12

Photo credit: Félix Michaud

adf-web-magazine-eg-headquarter-jean-verville-architecte-18

Photo credit: Félix Michaud

adf-web-magazine-eg-headquarter-jean-verville-architecte-15

Digital Collage by studio Jean Verville architectes, Photo credit: Félix Michaud

Jean Verville Architectesについて

Jean Verville Architectesは、建築家 Jean Vervilleをリード・アーキテクトに据え、建築家Tania paula Garza Ricoがディレクションする建築デザインオフィス。学際的なチームにより、多様なプロジェクトを手掛けている。現在は、3,000㎡の歯科医療施設、大麻の研究開発センター、個人宅やアパート、別荘、アートフェス向けの没入型インスタレーションなど、国内外のプロジェクトを多数進行中。